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Kataru.(かたる)
Kataru.(かたる)
novelistID. 12434
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貴方の色で私を染めてください

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 ぴくり、と絳攸は歩みを止めた。
 震える指が、自分の服を握りしめる。
 不安げな瞳は、夜空に懸かる真円を捜す。欠けたところがないそれと、それに照らされる自身の影を見比べながら、絳攸は今自分が立っているところが、目的地であることを再確認する。
 はあ、と溜息を一つ。なぜ、自分はこんなところに来ようなどと思ってしまったのか。
 この廊下を渡りきれば、そこにたどり着く。ここからでも、そこの眩しい明かりが目に入る。匂いを嗅げば、粉おしろいと、甘く淫らな夜の香り。
 そう、ここは後宮である。
「馬鹿馬鹿しい」
 口から、こぼれ落ちた小さい愚痴は、足を止めるまでには至らず、夜風に吹かれてかき消された。
 そして、表情から迷いを消す。
 そうだ、あいつに言ってやらなければならないのだ。俺は……




……Veuillez me teindre avec votre couleur……