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これがぼくの愛情論

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ああこの場に自販機があれば押しつぶすのに!!大股で歩いていた静雄は気付けば自分が若干涙目であることに気付いてすんごく悔しくなった。こわいものなんてとくに無いとおもっていたのに。よりによってあんなネジが生まれ持ってないようなやつに涙腺を緩められるなんて一生の不覚である。ごしごし口をシャツのこする。まるで自分が少女まんがの主人公みたいで背筋がぞわっとした。ああもう、だいきらいだ、あんなきしょい男!!とりあえず視界に自販機がはいったので、おもいきり殴っておいた。青い箱が、べこりと歪む。はあ、と静雄は息をついて、臨也を殴ったときより、感触がつめたいことにきづいて、また悔しくなる。固定されている青い箱を力まかせに持ち上げて、池袋の空に投げた。
作品名:これがぼくの愛情論 作家名:萩子