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【津軽サイケ】1.はじめてのおと~Prelude~

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画面に羅列された無数の数字とアルファベット。青白く光るそれを見つめながら幾度目かのコーヒーを淹れた。


「今度は【何】をするつもりなの?」

呆れたという感情を全面に押し出した声で彼女-矢霧波江は呟いた。

「何って?どうして俺が何かしようとしてるって分かったんだい?」

波江の口に出した【何】という言葉が単純な意味ではなく、【企み】と同じ言葉として使われた事を、その声色と怪訝そうな視線から読み取った臨也は、改めて波江にそれを訊ねた。

(質問に質問で返してはいけないって習わなかったのかしら……)

目の前の折原臨也は曲がりなりにも自分の雇い主だ。首を持ち出した自分がマフィアやら何やらと血生臭い名前の付く連中に追われないのも、もしかしたらこの男の恩恵もあるのかもしれない。


池袋で絶対に敵に回してはいけない人物。

それが折原臨也。

(まあ……物理的な面で言えば彼のほうが危険でしょうけど)


再度大きく溜息を吐いて根拠を話し始めた。勿論聞こえるように吐いた溜息はわざとだけれども。


「だって貴方がそんなに楽しそうにしている時って大体何かを企んでる時じゃない」


その言葉に臨也は満足したように両手を叩いた

「ははっ、さすが波江さんだね~、うんまあ企むっていうかちょっとした遊びだよ」

そう言うと引き出しから5センチ程の厚みの本を投げる。

「これ……」

波江の手に渡ったものは、最近流行しているシステムプログラムの本だった。

「お遊びのプログラムじゃない。まさかこんなものに興味が沸いたとでも云うの?」

簡単に言えば、会話をさせたり、音楽をうたわせたり自分の好みにカスタマイズできる娯楽プログラム。

元々こういったものに興味のない浪江の認知している知識はその程度のものだった。


「それで?何を始める気なの?」


「ん?ちょっとハコニワでも作ろうかな~って」

上機嫌な臨也の指がエンターキーを軽快に叩いた。


それが全ての始まりだった。