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折原臨也の純情

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臨也の決死の告白の翌日。
帝人は楽しそうに正臣とともに登校していた。

「ホントにあんな人と付き合うのか?本気か?正気か?騙されてないか?」
「やだなー正臣。僕はいつだって正気だよ。まとも過ぎて埋没しそうな普通の高校生だよ」

正臣に対しての爆弾は、今朝出会った瞬間に落とされた。
「はよー」と手を振った正臣に対して、次の言葉は「おはよう、あ、僕臨也さんと付き合うことになったから」だった。
現在、衝撃も抜けきらないままズルズルと帝人に引きずられるようにして学校へ向かっている。

「いや。普通なのはいいことなんだけどよ・・あの人の、こっ、こい・・びと・・・とか、もう普通じゃねぇよ」

正臣の脳内に思い浮かぶ最低な男の姿。
この世から消えてほしいナンバー1だったが、帝人を奪ったことによってそれは完全に永久不動のものとなった。
もし万が一、億が一にも帝人を泣かせることになったら、本気で少年院に入ってもいいからあいつを殺そう、と付き合う宣言をされた2秒後には思った。
そんな正臣の苦労も知らず、帝人は上機嫌だった。

あの後、結局気絶から目覚めた後、号泣してしまった臨也の手を引いて自宅まで連れ帰ったのは帝人だ。
成人男性が泣く様を見るのも初めてだった。
あんな告白も――いや、告白をされたのも初めてだったし、それがあの折原臨也だというのもまた

(すっごい非日常だ!!)

嬉しい、今なら死んでもいい、と呟き続ける臨也の頭を撫でるのも楽しかった。
かなりいつもと性格が違うなーとも思ったが、その原因が自分だと思うとぞくぞくする。
自分の前では上機嫌だったのは好きだから、不機嫌だったのは自分と会えないから。
そう聞いた時、帝人は確かに嬉しかった。
その喜びが臨也に対する恋慕だとは、はっきりとはわからない。
どちらかと言うと、非日常に対する想いで臨也の告白を受けたのだと思う。

「恋人って言いたくないなら言わないでいいんだよ。僕だって言いたくないよ」
「ってお前ホントにあの人のこと好きなのか?」
「好きだよ?非日常な部分が。あの人の存在だってそうだし、あの人の周りだって、これからだってきっと非日常だ!付き合ううちに、もしかしたらあの人自身を好きになるかもしれないけど――その時はそれでいいかなって」

だから念のため、確認のためにキスをしたのだ。
あの時、告白を受けて嬉しかったし、触れあうことも嫌ではなかった。
それに――、あまり深く考えたくはないけれど

(ここ数日間、僕ずっと臨也さんのこと考えてたんだよなぁ・・・)

ふふ、と笑う帝人に、最大級のため息をつくと

「まぁ俺はお前が傷つかなけりゃいいんだけどさ」
「うん、頑張るよ。心底ダメな人だと思うし、ウザくてたまらない時のほうが多いけど・・・側にいないと寂しかったりするからね」


にっこり笑う少年を、その恋人が校門へ迎えに来るまであと半日。
恋人のほうから手をつなげるようになるまであと3日。
少年にセルティと静雄による「あいつはやめとけ」説得が行われるまであと5日。
少年が隠しカメラに気付くまであと7日。
恋人がなんとかその怒りを治めるまであと10日。
少年が恋人に「好きです」と告げるまであと・・・
少年と恋人が一緒に暮らすようになるまで、あと――・・・・
作品名:折原臨也の純情 作家名:ジグ