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ひなたぼっこ

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一時間半後、リビングの窓際には一人と一匹の姿があった。
そうっと目を開けた綱吉は、ラグの上で横たわり、自分を抱き込んで眠る雲雀の寝顔を見上げる。
(きょうやさん、やっぱりおつかれさまだ)
「げんこう」のお仕事は「かんづめ」や「てつや」をすることも多くて、雲雀は眠れないことが時々あるのだ。
いつだったか、骸と一緒に遊びに来た凪に、『ボス、ご主人様のけんこうかんりも、かいねこのおしごとなのよ』と言われてから、綱吉は綱吉なりに雲雀の体調を心配している。
今回も、猫ゆえに眠るのは大好きだから、とりあえず「すいみん」は一緒に取られるぞ、と思って言い出したことだ。
実際、ここでころんと横になって数分で、雲雀は寝息を立て始めた。
(あそんでもらうのは、いつでもできるもん。だから、いまはきょうやさんと「おやすみなさい」をするほうがいいもん)
雲雀の胸に顔を埋めて、綱吉は規則正しくリズムを刻む鼓動の音にうっとり目を閉じた。
ぽかぽかのひだまりに、ぽかぽかの雲雀のぬくもり。猫の綱吉にとっては最強の安眠条件だ。
思わずまた、くるくると小さく喉が鳴り始めてしまうくらいに。


(きょうやさんがおきたら、ちょっとだけ、おにわにでてあそぼうっと)
朝食の時に雲雀が付けていたテレビのニュースで、今日は一日この陽気が続くのだと言っていたから、少しくらい時間がずれても大丈夫なはず。
(それまで、おやすみ、なさ…い…)
すう、と眠りの中に、綱吉の意識がとけていく。



ふわふわ浮かぶ雲の間を縫って昇る太陽が天上へたどり着き、西へ傾き始めるまであと数時間。
雲雀家のリビングには、ふたりぶんの穏やかな寝息だけが響いていた。

作品名:ひなたぼっこ 作家名:新澤やひろ