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恋が素敵だなんて誰が言ったんだ2

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恋が素敵だなんて誰が言ったんだ2



腐れ縁の新羅からの電話は酷いもんだった。

『ってわけでセルティが物凄く可愛かったんだ!勿論いつもの彼女だって可愛いけどね!
その時は仕事のために頑張る精励恪勤さが彼女の素晴らしさを更に引き立てていたんだよ!』
「切るぞ」
『ああ、待ってよ!君ってばどうしてそんなに短気なの!ねえ、恋だの愛だのの話を君は嫌がるけど、恋ほど素敵なものは』
「切る」
『ええっと何の話だっけ!そう忘れ物!』

延々と脱線した惚気に、決して長くはない堪忍袋の緒がみしみし言っている。ついでに手の中の携帯も。
昨日新羅のマンションに置いてきた忘れ物の電話で、何故俺は1週間前のセルティの仕事ぶりを事細かに聞かされなければならないのか。

「あぁ?だからセルティに持たせたんだろ?じゃあ、それでいいじゃねえか」
『・・・それがさー』

シュボッと電話の奥でライターの火が着く音がした。

『間違えたの渡しちゃった★』

ぶち。
通話を容赦なく切る。
夕方の東池袋中央公園は帰り道を急ぐ人の群れで、立ち尽くすのは自分ばかりだ。
俺は携帯を見つめながらしみじみ思った。

「友達運って・・・何食や良くなるんだろうな・・・・」