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恋が素敵だなんて誰が言ったんだ2

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「新羅!!!」
「うわあああ静雄?!何どうしたの?!?そんなにライター必要だった?!ごめんね!!!」

玄関先でドアを開けた新羅はパニックを起こしていた。
短気な同級生がいきなりマンションに押しかけて来たからだろう。

『静雄?!ど、どうしたんだ?!?そんなにライター必要だったのか?!すまない!!!』

戻っていたらしいセルティも玄関先の騒ぎに慌てて部屋から飛び出してくる。
しかも文面がわざとじゃないだろうが似ていた。力が抜けた。

「ちげえよ。・・・これ」

ポンと缶コーヒーを2本放る。

「へ?」

ゆるく投げられた缶をキャッチすると新羅とセルティは呆然としていた。
セルティの首からは?マークがうっすら浮かんでるような気もする。

「やる」
「な、・・・なんで?間違えたのはこっちなんだけど?」
「うっせえな。その話じゃねえよ・・・。そうじゃなくてこのコーヒーは・・・・・」

そこまで言いかけると、ボッと顔中に熱が集まった。

「・・・へ?!?」

やばい、と頬を手で隠す。
俺のその反応に新羅が興味深々といった体で、玄関先より身を乗り出してくる。

「何だいその反応?!照れたの?!何で!!!何かあったんd・ぶっ!!!」

ガァン!!と玄関ドアを閉めてそれ以上の詮索を物理的に遮断する。
中で悲鳴と何かが転がったような音がしたが、さっさと背を向けた。

「・・・うん、まあ、あれだ・・・・・」



いまだ引かない頬の熱に、甘い苦しみが胸を覆う。それなのにその苦しみが全然嫌じゃない。
素敵なんてガラじゃねえが。




・・・恋も、そう悪いもんじゃねぇな、うん。