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二日酔いの男

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酒に酔って事務所に帰ると坊やがソファーで眠っていた。
どうやら本を読んでいるうちに寝てしまったらしい。
自分のコートを脱いでかけてやると少し身じろいだが起きる様子はないようだ。
本当は部屋まで運んでやりたいところだが酔ってふらふらな今じゃ危ない。
俺はおやすみのキスをして部屋に戻った。

翌朝、いやもう昼だが俺が起きるとすでに坊やは起きていた。
二日酔いでふらふらしながら事務所に行くと、俺のコートは丁寧にハンガーで壁にかけてあり、気のせいか綺麗に見えた。
俺がいつもの場所に座ると坊やがコーヒーを持ってきた。
「そ、その昨日は…ありがとう…」坊やはそう言うと台所に引っ込んだ。

珍しく素直なこともあるもんだと思っていると、昼飯も用意してくれたらしくふんわり半熟玉子のオムライスが出てきた。
うまそうだが二日酔いで食欲がないと断ると、オムライスを顔に叩きつけられた。
さすがの俺も突然のこの仕打ちには怒り、二日酔いでふらふらしながらも坊やと殴りあった。

作品名:二日酔いの男 作家名:みやま