ラブアンドピースについての命題
「人間はどうして戦争なんてするんだろうね・・・君もそう思わないかい?」
静雄さんに頭でも殴られておかしくなったのかな、と反射的に思った。窓から青くて高い空が見えたので、とりあえず現実逃避しておいた。あーいい天気だ。アイスクリームが小島みたいにぷかぷか浮かんだ緑の合成着色料入りフロートをなおざりに押しやって、なんでこんなことになってるんだろうと考えたら涙が出そうになった。
ファミリーレストランなんてものは全国区でチェーン展開されている。
統一された味とメニューに安心感を覚えながら久し振りの外食に心を躍らせた。
たまの贅沢だとメニュー表を開いて目を滑らせた瞬間に聞き覚えのある声が降ってきた。
「やあ帝人くん」
片手をひらひら振ってにこやかな笑みを顔いっぱい表している青年に彼は見覚えがある。
「臨也さん」
大股でテーブルに歩み寄った彼は誰に断ることもなく帝人の真向かいに腰掛けて奪い取るようにメニューを取り上げて「彼にメロンソーダのフロート。俺は後からでいいや」適当にオーダーを通してメニュー表を放り投げた。
「あの、ちょっと臨也さん?」
急な出来事に目を白黒させる帝人ににっこり笑いかけて(ああそれはもう鳥肌が立つような笑みで)
「ちょっとお話しようよ」
この人に正論が通じたことがないのだと半ば諦めて、一番の懸念事項を口にした。
「静雄さんに見つかりますよ」
「ご心配なく。とっくに一戦交えてきたからね」
ツッコミたい点はとりあえず二つほどあったが臨也さんにそれを言う勇気は生憎持ち合わせていない。
お待たせいたしました、とやる気のなさげなウェイトレスが色鮮やかなフロートを運んで「ごゆっくりどうぞ」要らない気遣いをくれた。
マニュアル通りなのは知ってるけど、今に限っては言って欲しくなかったと帝人は心の中で思って、一口分だけ緑色の液体を口に入れた。甘ったるい味がした。
静雄さんに頭でも殴られておかしくなったのかな、と反射的に思った。窓から青くて高い空が見えたので、とりあえず現実逃避しておいた。あーいい天気だ。アイスクリームが小島みたいにぷかぷか浮かんだ緑の合成着色料入りフロートをなおざりに押しやって、なんでこんなことになってるんだろうと考えたら涙が出そうになった。
ファミリーレストランなんてものは全国区でチェーン展開されている。
統一された味とメニューに安心感を覚えながら久し振りの外食に心を躍らせた。
たまの贅沢だとメニュー表を開いて目を滑らせた瞬間に聞き覚えのある声が降ってきた。
「やあ帝人くん」
片手をひらひら振ってにこやかな笑みを顔いっぱい表している青年に彼は見覚えがある。
「臨也さん」
大股でテーブルに歩み寄った彼は誰に断ることもなく帝人の真向かいに腰掛けて奪い取るようにメニューを取り上げて「彼にメロンソーダのフロート。俺は後からでいいや」適当にオーダーを通してメニュー表を放り投げた。
「あの、ちょっと臨也さん?」
急な出来事に目を白黒させる帝人ににっこり笑いかけて(ああそれはもう鳥肌が立つような笑みで)
「ちょっとお話しようよ」
この人に正論が通じたことがないのだと半ば諦めて、一番の懸念事項を口にした。
「静雄さんに見つかりますよ」
「ご心配なく。とっくに一戦交えてきたからね」
ツッコミたい点はとりあえず二つほどあったが臨也さんにそれを言う勇気は生憎持ち合わせていない。
お待たせいたしました、とやる気のなさげなウェイトレスが色鮮やかなフロートを運んで「ごゆっくりどうぞ」要らない気遣いをくれた。
マニュアル通りなのは知ってるけど、今に限っては言って欲しくなかったと帝人は心の中で思って、一口分だけ緑色の液体を口に入れた。甘ったるい味がした。
作品名:ラブアンドピースについての命題 作家名:nini