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秋の一景

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もっとも、長い室町幕府の時代の間にすっかり商人となったものが殆どである。
ただ、佐助はこれらの中に自らの部下がいる。
諜報活動に秀でた忍びである。
様々な土地を回り、商売品も武器も仕入れ、情報も仕入れ、かというと噂話を操作する。
そんな、立派な忍びである。
伊達も忍を抱えている。
恐らく、そのあたりから予測がついたのだろう。
案外、同じ商売で情報収集をしている忍も抱えているかもしれない。
二重の意味で商売敵だったりしたら、ちょっと面白いかもしれないなあ、と細めた目で佐助は笑う。
「そりゃあ、内緒だよ。お抱えだからね。でも、そんなに言うなら分けてあげるよ。」
「ふん、逃げやがって。まあいいさ、お前が調合するところを見るってのも面白そうだ。」
どうやら幸村が来るまでの暇つぶしが欲しかったらしい。
あっさりと引いてくれたことに安堵しつつ、どうして誰も彼も、こう我侭かな、と佐助は苦笑した。

幸村が戻ってくる二刻まえの縁側。
帰った主人の腕に抱えられた柿やら木瓜やらの水菓子に、巡回後の山を荒らされた佐助が頭を痛めた、秋の風景だった。
作品名:秋の一景 作家名:八十草子