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帝人くんのらぶ!

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「心読まないでくださいってば!だからそうじゃなくて、えっと」
ヤバイ、今日こそ食われる。帝人は冷や汗をかいて必死に、服の中に入り込もうとする臨也の手と攻防を繰り広げる。
そりゃ確かに彼氏でいいかもしれないけど、でも。
帝人には帝人なりに譲れないものがあったりして、だから。
男としてのプライド的な何かが、えっと。
そうこれはその気になるとかならないとか言う問題じゃなくて、つまり。




「ぼ、僕っ!初めては海の見えるホテルでって決めてるんですっ!!」




「え?」
「え?」
顔を上げて瞬きを繰り返す臨也。
僕変なこと言いました?と首を傾げる帝人。
「だっ、だから。夢なんですよ一緒に朝焼けを、ってやつ。ああもう、何てこと言わせるんですか臨也さん!」
恥ずかしすぎて死ねる!と顔を覆う帝人に、臨也はもう一度ぱちくりと瞬きをした後、はっと気づいたように見る見る赤くなって、最終的には帝人の肩に顔を埋めるようにしてべったりと倒れこむのだった。
「な、なあんだ、ああもう。帝人君のばか、かわいい、だいすき」
「わ、笑いたければ笑えばいいじゃないですか!」
どうせロマンチストですよ!正臣に大爆笑されましたよ!と半分ふてくされる帝人に、ぐりぐりと顔を押し付けながら臨也は笑わないよぅ!と。
「・・・じゃあ、夏休みに沖縄旅行なんか、どうかなあ?」
まだ赤い顔をしつつも、ちょっとはにかんだ笑顔で臨也が顔を上げて問う。帝人は珍しい臨也のそんな行動に照れつつも、ぐっと言葉につまり、大きく息を吐いて吸って。
それから真っ赤になりながら、初めて自分から、目の前の臨也の唇に触れるだけのキスをするのだった。





僕だって僕なりにいろいろ考えて、えっと、だから。
ああもう、つまり!
ちゃんとあなたが好きですよ!
作品名:帝人くんのらぶ! 作家名:夏野