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二十四時間戦争コンビ詰め合わせ

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同じ男かと思えないくらい軽い体だ。そこらの食い道楽に励んでいる女子高生の方が重いかもしれない。前々から細い細いと思っていたが、まさかここまでとは予想外だ。静雄は口にくわえていた煙草を離した。火がついたままのそれは、静雄が抱き抱えていた男の胸元にポトリと落ち、強く睨み付けられた。

「シズちゃん俺を焼き殺す気?」
「手前なら地獄の業火に焼かれてもピンピンしてるんじゃねぇのか」
「それは君の方だよ」

 臨也は煙草を摘まむと、汚い物を扱うようにそこらへ放り投げた。ここは公衆が多く通る街中だ。恐らく自分達を知らないであろう老人がその行為に溜め息をついて去っていく。他の人間達は遠くから怪訝そうにこちらを窺っている。男が男に童話に出てくる姫のような抱かれ方をしていれば当然かもしれない。

「……ていうか、離してくれない?俺何気にかなり屈辱的なんだよね。これ殴られるより堪えるし」
「なるほど、手前はボコられるよりこっちが好みか」
「ちょ、シズちゃん」
「いい事教えてくれてありがとう、臨也くん?」

 満面の笑顔の静雄とは対照的に、臨也は引きつった笑みを顔に貼り付けたままだった。逃げようとしても相手はバーテン無双だ。膝裏を腕で抱えられているため、動きたくても動けない。臨也の口から舌打ちが漏れた。

「せっかくだから、このまま公園のトイレに行って仲良くしようやノミ蟲」
「い、いいよ俺もう帰りたいから。それに何で公園のトイレ?明らかにベンチに青いツナギ着た人がいそうなシチュエーションだね。新羅あたりに余計な知識植え付けられたんならさっさと忘れ」

 青ざめながら早口で喋る臨也に無視して静雄は軽い体にさほど苦労もせず歩き出した。その方向は間違いなく公園だった。臨也に逃げ場はない。遠くから見物している誰もがそう確信していた。

「シズちゃん分かってる?公園のトイレで男二人でやる事と言えば一つしかないんだよ?俺別にホモなんかじゃないし、シズちゃんもそっちの気はないでしょ?だから止まれえええええええ!!」