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真昼の糠星①(カメラマンとモデルパラレル)

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そして顔を上げ、佳主馬の顔を見た途端、目を見開いて息を呑むような音が聞こえた。
佳主馬の握っていた冷たい手が、無意識の反応を見せるように動く。

「……君なら、」
それまでかたくなに佳主馬を見ようとはしなかった二つの眼が、今はじっと佳主馬を見つめている。
まばたきひとつしない視線に佳主馬もごくりと喉を鳴らし、負けじと見つめ返した。
「君なら、撮ってみたいかもしれない……」
息を吐くような声でそう呟いた彼は、そこで初めて微笑みを見せた。



佳主馬の長い不毛な恋が、始まったのはその瞬間だった。