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生徒会室で恋は始まる 1

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「やっぱりここだったか…」

ベッドの上に横たわるのは、幼馴染のユーリだ。
自習と聞いて何処かへ行ってしまったと思えば、ここで睡眠中。すやすやと気持ちよさそうな寝息をたてている。
いくら自習だからといって、サボりはよくない。そう思って探しに来たのだが、こうまで気持ちよさそうに眠られたのでは、起こすに起こせない。
つくづく僕はユーリに甘いなとフレンは自嘲気味に溜息を吐いて、ずれた眼鏡を指先で押し上げた。
ユーリを起こさぬ様ベッドの淵に腰掛ける。
さて、どうしよう。
このままユーリを置いて戻るわけにもいかないし、かといって起こすのも忍びない。
こんなにすやすやと幸せそうな顔で眠るユーリは久々に見たためだろうか。
自分で起きてくれたら一番いいんだけどな、と寝顔を見つめながら思っていると、言葉にならない小さな呻き声を発してユーリが寝返りを打つ。
それにドキリと心臓が鳴った。もしやこのまま起きてしまうのではないか。いや、起きてくれた方がいいのだけれど。
しかしユーリはいいのか悪いのか起きる気配はなく、また規則正しい寝息をたてはじめる。
それにほっと息をつく。が、すぐにふるふると頭を振った。
理性が感情に負けている。これではいけない。心を鬼にしなくては。
一つ息を吐くと、フレンは覚悟を決めた。
まずは呼びかけてみる。

「ユーリ」

しかし反応はない。今度は強めに呼びかけてみるが起きる気配はない。

「ユーリ」

少し身を乗り出して肩を揺すって呼びかけてみる。

「う…ん…」

しかし眉をしかめ、小さく呻いて身体を少し捻ったのみだった。
その瞬間、開いたシャツから覗く鎖骨がちらりと見える。

「…っ!!」

ドキンと心臓が鳴って慌ててユーリから離れた。
ばくばくと心臓がうるさい。けれどユーリの開いたシャツから目が離せない。
そこに触れてみたいと思った。どうしようもなく。
ごくりと生唾を飲む。
ゆっくりと近付いて、そろそろと腕を伸ばした。骨の形を指先でなぞる。

「ユー…リ…」

この下も見てみたい。触ってみたい。
どんな色をしているのだろう。どんな感触なんだろう。好奇心と欲望が、フレンの理性をなくさせる。
震える手でボタンをはずす。
一つ、二つ。
ドクン、ドクンと、はずすたびに心臓の音はうるさく鳴る。
ボタンを外して、シャツから覗く肌からそろそろと手を差し入れた。
作品名:生徒会室で恋は始まる 1 作家名:みみや