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生徒会室で恋は始まる 2

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「・・・おっさん、あんまり首突っ込んでくんなよ」
「んー、そう言われてもねー。悩める青少年を導くのも、教師の務めだしー」
「ほっとけよ。これはオレとあいつの問題だ」
「ということは、やっぱりフレンちゃんと何かあったのね」

顎の下をさすりながらにやりと笑って言うと、ユーリは舌打ちをした。

「まあでも、おっさん的には今の状況は結構美味しいから、このままでもいいんだけどね」
「はあ?」
「だって二人とも仲良すぎなんだもん。おっさん妬けちゃう」

おどけた様にそう言うと、すぐさまアホかと一蹴される。

「でもさ、青年。真面目な話」
「ん? 何だよ」

ユーリを覆うように掌を壁へと付ける。危機意識がないのか、そもそもそういう対象として見られていないのか、ユーリは無防備だ。

「おっさん?」
「ねえ、ユーリくん。・・・おっさんにしとかない?」

指先を頬から顎へするりと滑らせると、軽く上向きに持ち上げた。

「・・・・・・おっさん」
「なあに?」

にこにこと笑っていると、突然がしりと片手で額を鷲掴まれ、視界が暗くなった。

「ちょ、う、し、の、ん、な、よ?」

ギリギリと掴む力が強くなって、レイヴンは呻いた。

「ちょ、青年待って! 痛い、痛いって!!」
「知らねぇなぁ?」

そして更に力が強められて、半泣きになりながら懇願する。

「ぎゃーっ!! ごめん! ごめんなさい! お願いだから許してええぇ」

ユーリは漸く掴んでいた手を離すと、レイヴンはこめかみを押さえて小さく唸った。
まだ若干圧迫感が残っている。

「いいツボマッサージになっただろ? おっさん」
「良過ぎて頭が壊れそうだったわよ・・・」
「そいつは残念。そのままカチ割ってやればよかったな」
「ちょっ! 青年物騒なこと言わないでよ!」

本気で怯えたレイヴンにユーリは笑った。
ふいに扉近くで小さな物音がして、二人してそちらを見る。

「・・・フレン?」

ぼーっとしながらこちらを見ていたフレンは、ユーリの声にはっと我に返る。

「ご、ごめん!」
「ちょ、おい!」

そうフレンは行き成り告げると、逃げるようにして走り去った。
それを追いかけるように、ユーリがレイヴンを押しのけて走り出した。
二人の階段を駆け下りる足音が聞こえ、それが遠くなって遂には聞こえなくなるとふうっと溜息を吐いて壁に背中を預ける。
作品名:生徒会室で恋は始まる 2 作家名:みみや