生徒会室で恋は始まる 3
「ユー・・・リ・・・」
ユーリの真意がわからない。ユーリは一体何を考えているのだろうか。
そう酷く狼狽えていると、ユーリがふっと笑う。
「平気だって。お前が恐がってるようなことになんかなんねえから。だから、言ってみな」
全てを見通して入るような顔でユーリが笑う。
変な汗がじわりと浮かぶ。口内は水分がなくなったかのようにカラカラと乾いていた。
・・・いいのだろうか。本当に言っても、いいのだろうか。
「ユーリ・・・」
「・・・ああ」
言いにくそうに口を開いては閉じを何度か繰り返す。それほど時間はたっていないはずなのに、もう長い事そうしているような気がした。
それでもユーリは辛抱強く待っていてくれる。
ああ、どうしようもなく、ユーリが好きだ。
「僕は、君が・・・好き、だ・・・」
震える声で、言葉にした。ユーリはそれを聞くとふにゃりと笑う。
手が伸びてきて優しく頭に触れると、引き寄せられてユーリの肩口に額があたった。
「・・・ああ。オレも好きだよ、フレン」
「・・・え・・・?」
そのユーリの言葉に、フレンは顔をあげるとユーリを見た。
「ユーリ、今なんて・・・」
「聞こえなかったのか?」
「いや、でも、だって・・・」
本気で狼狽えているフレンにユーリがふっと笑う。
「言っただろ? お前が恐がってる事になんかならねえって」
「だってユーリ、僕は男だよ?」
「何今更わかりきった事言ってんだよ」
呆れたようにユーリが言う。
確かに幼い頃から今までずっと一緒で、お互いの知らない部分なんてないんじゃないか・・・とは言いすぎかもしれないが、それくらい互いの事を知り尽くしていてこの発言は本当に今更かもしれない。
けれど、世間一般的に考えて、男が男に告白して軽蔑されることはあっても、受け入れてもらえるだなんて事は殆どないだろう。
「気持ち悪く・・・ないのか?」
「じゃあお前はオレが気持ち悪いのか?」
「そんな事ない! 僕はただ・・・」
不安なのだ。これが夢なのではないかと。これは幸せな夢で、本当は手酷く振られているのかもしれない。そんな自分が逃避として見ている夢なのではないかと。
そうして黙ってしまったフレンに、ユーリは溜息を吐いた。
「フレン」
その声にフレンは顔をあげた。
ユーリは手早く上から一つずつシャツのボタンを外していく。
「ユーリ・・・?」
作品名:生徒会室で恋は始まる 3 作家名:みみや