惚れ薬と恋心
後日、静雄は仕事が終わった直後、帝人を仕事場へ呼びだした。
苦笑いを浮かべるトムに慌てて帝人はお辞儀をした。
「あーえっと、トムさん。こいつが竜ヶ峰で・・・」
「いや、前会ってるよ静雄」
「そ、そうでしたっけ?あ、そんで、こいつは俺の、その」
あーと唸りながら片手で頭をかく静雄を、優しい目で見つめていた帝人は
「恋人です、よね?」
悪戯な口調で告げると、静雄がさらに顔を赤くした。
軽く帝人の頭を小突いて
「トムさん・・・えっと、あー、俺の、恋人です」
「改めてお願いします、竜ヶ峰帝人です。静雄さんがお世話になってます」
「なっ!おま、その言い方だとなんかそのっ、あれだろ!?あっ、いや、悪いわけじゃねーんだけどよ、その・・・」
「僕は嬉しいですよ?」
「うぅ・・っお、俺も、お前に世話になってるっつーか、一緒にいてくれて嬉しいっていうか・・・」
「静雄さん・・・っ」
どこからどう見てもバカップルの姿に、心構えをしておいて良かった、俺グッジョブ。とトムは笑顔のまま心の中で砂を吐きだした。