うん、それ無理。
情報屋はただただ知らないことを知りたくて、
知りたいことを知るために、その身を路上へ躍らせた。
これまで凶器を突き付けてきたその長身に最大級の好奇心を押し付けるべく、
驚愕の色を見せる瞳の下で震える桜色の花弁に自らのそれを押し当てながら。
♂♀
まあ、そんなわけでさぁ。
その後シズちゃん固まっちゃってさぁ、
殴られるんだろうなと期待じゃなくて覚悟してた俺としては予想外の反応だったよ。
結局青いんだか赤いんだかよく分からない顔して帰っちゃうし。
あ、これ俺の勝ちってことでカウントしていいかな。いいよねぇ。
はぁ？
何言ってんの新羅、惚気話じゃないよ！？
君は脳が腐ってると思ったら耳まで腐ってたのかい？そのまま腐り落ちるといいよ。
ああ、医者の不養生とはこのことなんじゃなかろうか。
えーちょっと運び屋までそんなこと言っちゃってー。
てか惚気てんの君たちじゃんリア充ども。
俺的にこれは人生相談だったんだけどなぁ。
…だからシズちゃんから解放されたいんだって。
いや、さっさと殺しちゃえばいい話なのは分かってるさ。
でもナイフ刺さんないし、銃で撃たれてもすぐ治るし、
じゃあどうやったら殺せるかとかどうやって殺そうかとか考えてると
また思考が全部シズちゃんの方にいっちゃってもう何この悪循環！？
いやいや恋じゃな…ないよね？違うって。気色悪いこと言うなよ。
は？キスしたのは嫌がらせに決まって…あれ？
え、うそうそ、いやいやいやシズちゃんの事が知りたいってのは、
ただ弱点とか見つけてさ、
それにつけこんで…俺つけこんでどうするつもりだったんだろう…。
殺す為、…違う。おかしいな。
え、うっそ、まじで？まじで俺、俺、シズちゃんのこと――――――――――
―――――――――――――――新羅、恋の病ってどう治すの？