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付かず離れず、この距離で

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大して客数が多いわけではなく。
かといって、暇と言うほどすることがないわけでもない。
目の前に転がるキャベツの山を見てため息を一つ零し、その内の一つに手を掛けた。
本日は休日と言うこともあり、後数時間もすればそれなりに慌ただしくなる時間だ。
それに合わせて店へやってくる店員の数も増える。
ホールへチラリと視線を動かすと、二人の同僚の姿が見えた。
高校生とは思えないほど小柄な女性店員と、眼鏡をかけたホール唯一の男性店員。
毎度お馴染みの掛け合いを交わし、合間にやってくる客の接客や会計を行う。
微笑ましいと言えばそうだが、時間があるからこそ出来ることだ。
この店の売り上げはどうなんだ、と疑問に思ったのは一度や二度ではない。
ただでさえ、雇われ店長が食料を食い荒らしているというのに。
今一度ため息を漏らし、ゆっくりと首を動かし、時計に視線を送る。
ゆっくりとした速度で動く秒針を心なしか睨み付け、視線をキャベツへ戻した。

アイツが来るまで、残り2時間35分。








付かず離れず、この距離で