ジャイアニズム
「妬いてないし、異星人もいない」
嫉妬じゃないんだったら、目の前の冷めたカレーはなんなんだよ。さっきまでの、目の色変えてまでの探りはなんだったんだよ。葉佩は心の中だけで突っ込む。答えはわかりそうで、まだ遠かった。
「すどりんのライトアップ効果見たとき、異星人はいたんだっ、俺は今、歴史的瞬間に立ち会ってるとか興奮してたくせに」
ポツリとつぶやくと、テービルの下から蹴りが飛んでくる。たいして痛くなかったが、大仰に騒いだら奈々子まで飛んできてちょっとした騒ぎになった。
これが皆守が見せた氷山の一角、嫉妬癖の片鱗だったのだと、その後の学園生活で葉佩は嫌というほど思い知らされる。