とある秀徳バスケ部員の日記 ー 4月の総括 ー
などと言いながら例の天才バカボンな二人が集合場所に登場。
ねえ、あの人達何やってんの?
バカなの?
ていうか、禁止とかいう以前にリアカーなんてモン括り付けた自転車なんか車道で走らせてたら、渋滞の原因になって非常に迷惑なんですが……。
とまあ思うことはいろいろとありつつも、人間は心の底から驚くと何も言えなくなるということを学んだわけで……。
更にその翌日もヤツらは自転車+リアカーだったという事実。
緑間のワガママなのかもしれないけど高尾も止めろよ。
リアカーに緑間乗っけてなに喜んで自転車こいでんのさ。
絶対にオマエらおかしいだろ?
とまあ、その日は彼らが素でやってることにとてつもない衝撃を受けたんだけど、数日後更なる衝撃が。
どのくらい衝撃かと言うと、
「事件は会議室で起きてるんじゃない! 部室で起きてるんだ!」
って、某警察映画の主人公のように腹の底から叫びたくなるくらい。
何事かっていうと、その、あの、あー……。
高尾が緑間に……。
いやいや、そんなはずないし。きっと悪い夢見てるんだよね、オレ。
だって、だってそんなまさか……。
きっと何かと見間違えたんだ。
見た角度もきっと悪かったんだ、と思い直して再度部室を覗くと……。
スミマセン。やっぱり見間違えじゃなかったです。
明らかに高尾くんと緑間くん、キスしてます。
何、君たち普通に部室でそんなことしてんの!?
と、事件が正に起きている部室前で動揺しまくっていたら、たまたま側を通りかかった三年のレギュラーである木村さんがぽつりと一言。
「男所帯だと、ああいうの多いからなー。やっぱり今年もそうなったか……」
と、しみじみ呟いて溜め息を。
ああいうの多い、ってどういうこと?
今年も、ってことは、あんなのがまだ他にもいるってことなの?
木村さん何か知ってるの!?
なんてオロオロしてたら、木村さんは更にしみじみと、
「とくにレギュラークラスになると本当に多いんだよ……。部内で恋の花が咲き乱れることはあっても、オマエはああはなるなよ。他校の女子とのコンパなら、オレが組んでやるから」
と励まずように肩を叩いてくれました。
でも疑問は更に増えるばかり。
あれ、部内って言ってもウチの部、女子なんていないっスよね?
分からない。全然分からない……。
この部に入って最近とくに思うことが、オレって本当に頭悪いよなーってこと。
みんなが何言ってるのか全然理解が出来ない。
とくに緑間と高尾。
あの二人に関しては行動からしてもう理解が出来ない。
でもまあそんなことよりも、オレ的には木村さん主催のコンパがめちゃくちゃ気になるんスけど!
木村さん、あんなイガグリ頭のくせに何気に可愛い彼女いるし!
その瞬間、パァ〜ッ、と視界が明るく開けた感じに。
オレ、木村さん目指して頑張るっス!
木村さんみたいに可愛い彼女作るっス!
とまあ楽しい目標が1つ増え、ちょっと気がおかしくて愉快な仲間達に囲まれて今日もオレはバスケ部で頑張ってるわけで。
校訓である『不撓不屈』の字に負けない活躍が出来るよう、これからも練習を重ねて全国目指す!
そうだ、ラッキーアイテムに巻き込まれたりすることがあっても、オレは負けずに頑張る!
日本一目指すんだ!
毎日辛いけどそれを目標にこれからも練習頑張るぞー!!
頑張れ、負けるなオレ!!!
力の限り生き残ってレギュラーとってやる!!!!
作品名:とある秀徳バスケ部員の日記 ー 4月の総括 ー 作家名:いっしー