『テスト投稿』もしも~ 大坂夏の陣
豊臣秀吉が亡くなり、その天下を守ろうとした石田三成を中心とした西軍が、関ヶ原の戦いで徳川家康率いる東軍に敗れた。
それ以降西軍の勢いは弱く、とうとう徳川家康率いる東軍主力部隊が豊臣秀頼がいる大阪城へと進軍をした。
かつて石田三成と友誼を結んだ直江兼続は、主である上杉家を守るために徳川に屈した。
今、大阪城にいるのは、その二人と共に友誼を結んだ真田幸村が主戦力となって豊臣家を守っている。
その幸村は、天守の控えの間から城外を見つめていた。
東軍の旗印が無数といえるほどに広がっている。
頼りとしていた真田丸は緒戦で敵に奪われた。
「…………」
格子を掴む手に自然と力が入る。
ふと背後から人の気配を感じ、格子を掴んでいた手の力が抜けた。
その気配は敵ではなく、今最も心強い人物のものだったからだ。
振り返ると間違いなくその人で、ゆっくりと、しかししっかりした足取りで幸村に歩み寄ってきた。
「三成殿。決まりましたか?」
幸村が呼んだ名は、三成――石田三成だった。
あの関ヶ原の戦いで敗れた西軍の総大将だった男である。
三成は幸村を見て一つ頷いた。
「ああ、ほぼ決まった。幸村……この戦い、頼むぞ」
「俺はこの一戦に全てを賭けます」
三成の持っていた扇子が小さく鳴った。
「そんなことはしなくていい。戦はこの先もあるのだぞ」
幸村の言葉を咎める三成に、幸村は一つ頷いた。
「この戦に必要なのは、『義』だけだ」
大切なものを守る為の戦い。
利によって動くのではなく、人の心が導く戦いなのだ。
「幸村の戦いをしてくれ」
「ええ。私の義をこの戦で大いに示しましょう」
その言葉に三成は満足そうに頷いた。
三成は一旦幸村の傍から離れ、先程まで軍議が開かれていた部屋に入った。
大阪城を中心とした地図には、東軍を表す駒が数多く散らばっていた。
「左近。お前の言う通りになったな」
今は傍にいない忠臣が出立する際に三成へ残していった戦略が、着実に進行しつつあった。
今、その忠臣は別働隊として東へ向かっている。
その忠臣――島左近が三成の家臣となってからは、二人違う戦場に立つことはほとんどなかった。
常に一緒の戦場に立ち戦ってきた。
しかし、今回は作戦上どうしても離れるしかなかったのだ。
それほど西軍には力がないということをまざまざと突き付けられた。
それ以降西軍の勢いは弱く、とうとう徳川家康率いる東軍主力部隊が豊臣秀頼がいる大阪城へと進軍をした。
かつて石田三成と友誼を結んだ直江兼続は、主である上杉家を守るために徳川に屈した。
今、大阪城にいるのは、その二人と共に友誼を結んだ真田幸村が主戦力となって豊臣家を守っている。
その幸村は、天守の控えの間から城外を見つめていた。
東軍の旗印が無数といえるほどに広がっている。
頼りとしていた真田丸は緒戦で敵に奪われた。
「…………」
格子を掴む手に自然と力が入る。
ふと背後から人の気配を感じ、格子を掴んでいた手の力が抜けた。
その気配は敵ではなく、今最も心強い人物のものだったからだ。
振り返ると間違いなくその人で、ゆっくりと、しかししっかりした足取りで幸村に歩み寄ってきた。
「三成殿。決まりましたか?」
幸村が呼んだ名は、三成――石田三成だった。
あの関ヶ原の戦いで敗れた西軍の総大将だった男である。
三成は幸村を見て一つ頷いた。
「ああ、ほぼ決まった。幸村……この戦い、頼むぞ」
「俺はこの一戦に全てを賭けます」
三成の持っていた扇子が小さく鳴った。
「そんなことはしなくていい。戦はこの先もあるのだぞ」
幸村の言葉を咎める三成に、幸村は一つ頷いた。
「この戦に必要なのは、『義』だけだ」
大切なものを守る為の戦い。
利によって動くのではなく、人の心が導く戦いなのだ。
「幸村の戦いをしてくれ」
「ええ。私の義をこの戦で大いに示しましょう」
その言葉に三成は満足そうに頷いた。
三成は一旦幸村の傍から離れ、先程まで軍議が開かれていた部屋に入った。
大阪城を中心とした地図には、東軍を表す駒が数多く散らばっていた。
「左近。お前の言う通りになったな」
今は傍にいない忠臣が出立する際に三成へ残していった戦略が、着実に進行しつつあった。
今、その忠臣は別働隊として東へ向かっている。
その忠臣――島左近が三成の家臣となってからは、二人違う戦場に立つことはほとんどなかった。
常に一緒の戦場に立ち戦ってきた。
しかし、今回は作戦上どうしても離れるしかなかったのだ。
それほど西軍には力がないということをまざまざと突き付けられた。
作品名:『テスト投稿』もしも~ 大坂夏の陣 作家名:川原悠貴