BASARAログまとめ(腐向け)
こちらの事情等お見通しだと言わんばかりに元親は意地の悪い笑みを浮かべる。
鬼が微笑を浮かべるとしたら、まさにこんな表情だろう。
「その割に人から火ィ奪ってりゃ意味ねえよな。なあ、政宗?」
元親の問いにも答えは返ってこないだろうと思っていた。
風にたなびく紫煙が答えだと言うように、政宗は何も反応を返さない。返さないはずだった。
ゆっくりとこちらを見遣ると、独眼が愉快そうに細まった。弧を描いた唇には既に煙草がない。
「奪っちゃいねえ。ご好意で頂いてんだ。断るのは悪ィだろ?」
一蹴すると政宗は再び背を向け空を仰ぐ。
自分の言ったことを彼なりに考えてくれたことを喜ぶべきか、それとも依存を断ち切れずに恋人ではなく煙草を取った彼に怒るべきか。
「あーもうやってらんない! チカちゃん俺様にも一本!」
あなたの口付けを厭う
090705
作品名:BASARAログまとめ(腐向け) 作家名:てい