コードギアスログまとめ(スザク受け中心)
もう一回締め付けてやろうか。今度は食い千切るぐらいに、さ。
腰を揺らして、彼を煽る。珍しくジノは悩むような様子を見せて、歯を食いしばっていた。
「なあ、スザク」
「んっ、あ、なに?」
「なんで今日はこんな体位なんだ?」
軽くジノが腰を動かすと、いいところを掠めて、ちり、と快楽が身体に火を点ける。もどかしい。もどかしいけれど、ベッドの上での生臭い会話を楽しむには、これぐらいがちょうどいい。
「上に立つ人間の、っん、気持ちが知りたかったんだ、よ」
「ふうん?」
ジノは目を細めて、囁くような唇の形を作り出した。
「本当に?」
吸い込む呼吸の音はない。前置きする時間なんてない。彼はもともと肺に入っていた分の空気、その量で出せる声量で、俺に問いを放った。
「うそ」
「やっぱり」
「うそだよ」
「どれが」なんて不粋な問いをしてくる男を、愚かだとは思わない。それは誠実さと直情だと、置き換えることが出来るから。むしろ、好ましいと、思う。
悩ましげに眉を下げつつも、唇の笑みには余裕さえ残したこの男は、“俺”がなりきれなかった“僕”だ。
「人を見下ろす気分を、味わってみたかったんだ」
「へえ。上官に跨がって見下ろす気分はいかがですかな、枢木卿」
こんな時ばかり、育ちの良さが分かる言葉遣いをする彼は、少し記憶の向こう側に重なる。
だから思いっ切り言ってやった。
向こう側に置いてきた笑顔を引っ張り出して、その仮面を被って。
「最ッ悪だ」
愉快そうに笑ったジノは、遠慮なしに俺をベッドへと押し倒した。
080607
title 7−1
作品名:コードギアスログまとめ(スザク受け中心) 作家名:てい