となりの静雄さん・2
子供の相手をするのは思った以上に疲れる。
何より自分は喧嘩人形で、力も人一倍あるから加減が難しい。
ふと掴んだ拍子に骨を折ってしまう可能性もある。
だから出来ればあまり関わりたくはなかったのだが・・・
隣の家に越してきた少年は出会ってからの二日間、俺が家にいる間はずっとべったりくっついて離れなかった。
これが普通のその辺にいる少年なら親に引き渡して、できれば親を一発ぶん殴って終わりなのだが、それもできなかった。
その少年、正臣の親というのが中学の頃からこっそりバイトをさせてくれている会社の先輩、田中トムとヴァローナだったからだ。
結婚しているのは知っていたが、まさか子供がいるとは思わなかった。
そんなわけで俺は正臣を突き放せず相手することになり、いつも以上の・・・いや、たぶん今まで経験したことのない精神的疲労を味わった。
その結果、正臣の晴れの舞台である入学式の日に寝坊で遅刻することになった。
・・・まあ、別に遅刻は中学の頃からよくしていたので問題はない。
ただ入学式に向かう正臣を見送ってやれなかったのは、少し後悔した。
正臣は俺のことを色々知っているのに、俺に対する警戒心が無い。
だから平気で俺に触ってくるし、遊んで欲しいと近寄ってくる。
相手にしてやると喜んで、笑って、騒いで・・・それが可愛くてもっと見ていたかった。
なのに一番喜ぶであろう機会を俺は逃したのだ。
出来る事なら自分の頭をぶん殴って「馬鹿やろう」と言ってやりたい。
でも俺はそんな気持ちを抑えて学校に向かった。
時計は10時ちょっと過ぎを指している。
今から行けばちょうど入学式を終えた正臣に会えるかもしれない。
俺は淡い期待を胸に学校へと向かった。
何より自分は喧嘩人形で、力も人一倍あるから加減が難しい。
ふと掴んだ拍子に骨を折ってしまう可能性もある。
だから出来ればあまり関わりたくはなかったのだが・・・
隣の家に越してきた少年は出会ってからの二日間、俺が家にいる間はずっとべったりくっついて離れなかった。
これが普通のその辺にいる少年なら親に引き渡して、できれば親を一発ぶん殴って終わりなのだが、それもできなかった。
その少年、正臣の親というのが中学の頃からこっそりバイトをさせてくれている会社の先輩、田中トムとヴァローナだったからだ。
結婚しているのは知っていたが、まさか子供がいるとは思わなかった。
そんなわけで俺は正臣を突き放せず相手することになり、いつも以上の・・・いや、たぶん今まで経験したことのない精神的疲労を味わった。
その結果、正臣の晴れの舞台である入学式の日に寝坊で遅刻することになった。
・・・まあ、別に遅刻は中学の頃からよくしていたので問題はない。
ただ入学式に向かう正臣を見送ってやれなかったのは、少し後悔した。
正臣は俺のことを色々知っているのに、俺に対する警戒心が無い。
だから平気で俺に触ってくるし、遊んで欲しいと近寄ってくる。
相手にしてやると喜んで、笑って、騒いで・・・それが可愛くてもっと見ていたかった。
なのに一番喜ぶであろう機会を俺は逃したのだ。
出来る事なら自分の頭をぶん殴って「馬鹿やろう」と言ってやりたい。
でも俺はそんな気持ちを抑えて学校に向かった。
時計は10時ちょっと過ぎを指している。
今から行けばちょうど入学式を終えた正臣に会えるかもしれない。
俺は淡い期待を胸に学校へと向かった。
作品名:となりの静雄さん・2 作家名:朱羽りん