【LD1】金曜の晩には薔薇を【ベルジャン】
「で結局、薔薇の花を持って出る俺を見て勘違いした、と」
「…だって、金曜日の夕方に薔薇の花束を持って、あんた自慢のフェラーリ乗り回すなんて、女のトコに行くとしか思えないデショ」
「そりゃ女のトコだったけど」
「いたたた、ジャン、俺の髪掴んだままそっぽ向かないでくれ。墓地だ、ルキーノの妻と子供の墓参りに行ってたんだよ」
「ルキーノぉ?」
「お前がその時期になると機嫌の悪いルキーノに優しくしてやってくれてる間に、目立つ墓参りをして三流記者どもにCR:5が本当に心を痛めて哀悼していると見せ付けるためだった」
「……俺、行ってねーのに」
「ボス自ら足を運んだら、あの抗争で犠牲になった他の市民やファミリーから贔屓目に見えるだろう。俺でちょうど良かったんだ」
「ルキーノにも優しくなんかしてねーし。つか、キスされて殴ってからまだ無視し続けてんなー」
「…ルキーノが何だって?」
「いや、急にさ、…あ」
全ての原因はルキーノ。そういう決着になって、あのエロライオンが半殺しに(精神的に)合うのは、とりあえず夜が明けてから……。
作品名:【LD1】金曜の晩には薔薇を【ベルジャン】 作家名:cou@ついった