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ひとりあそび

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だいたいどうして俺が平和島静雄というおとこに興味を持ったかというと、とりあえず顔がタイプだったことが大きい。だってシズちゃんのあの眉間のしわとか、顔の骨格とか、キレたときに血走る目とか、もうぞくぞくしちゃうわけだ。そうしてなによりラッキーだったのは彼がとても俺が興味を持つに足る人間であったこと。キレたら手がつけられないほどに暴れるだなんてなんていう原始人サンプルなんだろうときらきらしちゃったもんだ。俺は進化学をやっているわけじゃあないんで、原始人にはそこまで興味はもっていないけど、でも人間を知るにはいいだろう?

「というわけであんたにすごく興味があったわけだ」

高校卒業を控えた寒い2月の日のことだ。入学して1年めは目があえば拳がでていた彼も、3年めとなればいささか俺に対して理性がうまれてきたらしい。言葉でコミュニケーションがとれるまでに進展した。原始人のときにくらべたら大進化だ。
だけどだからって友好的には決してならないし、俺もべつに一般的な友情ってやつをシズちゃんに求めているわけじゃあないからいいのだけど、まあ話ができるにこしたことはない。
シズちゃんはすごくいやそうな顔をしていた。18時をすぎた教室はもう暗くて、誰もいない。机は雑然と並んでいた。ここでキレられたらこれを投げるんだろうなあ。

「そんな理由で三年間ちょっかい出してきたのかてめえは」
「やだなあ!俺を見るなり机投げたり跳び箱投げたり石膏像投げたりしたのシズちゃんじゃない。あの石膏像高かったのにって美術教諭が泣いてたよ?」
「元をたどればてめえだろうが!」

まあ確かに大元を辿れば俺たちのこの奇妙ないがみ合いの原因は俺にあるんだろうけど、だけどそれはシズちゃんがいけない。こんな常識からはずれたところにいるシズちゃんがいけない。最初はねえ、俺だって仲良くなれるとおもってはいたんだよ?だけどシズちゃんが断ったんじゃあないか。もしあのとき、シズちゃんが俺を受け入れていたならどうなっていたのかなあと考えたけど、俺を受け入れるシズちゃんなんて俺の興味のあるシズちゃんではないから、それはいやだなあとおもう。

「まあもう卒業だしね、三年間あんたのおかげで退屈しなかったよ」
「おれの三年間はむちゃくちゃだがな」
「別に俺がいなくたって、あんたがまともな高校生活送れたとはおもわないなあ」
作品名:ひとりあそび 作家名:萩子