二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ひとりあそび

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

そう言ったら、シズちゃんがすごく悔しそうな顔をした。ぎりって歯がこすれる音まできこえてきそうだ。ああいい顔だ。すごくいいよシズちゃん。そうやってなかなか俺の思い通りには動かないけれど、単純に見たい顔を見せてくれる君は、すごくいい。

「そのうち三年間のお礼をしなきゃね」
「ロクなもんじゃねえんだろ、いらねぇよ」
「それはあんたが判断することだよ、シズちゃん」

シズちゃんに指をむけて、にっこり笑ってみせる。シズちゃんは、その呼び方はすんじゃねぇっと怒鳴って、ああ殴るかなあと思って身構えたのだけど、案外すなおに彼の怒気はしゅるりと消えていったので、すこしつまらなかった。
そうして彼はもう行くと呟いて、それから一回、ドアの近くにあった掃除道具入れをがつんと蹴って、教室から出て行った。ガラス戸の揺れる音が教室に響いて、鼓膜がいたい。なんだあ怒ったシズちゃんの顔、ちょっとみたかったのになあ。

「・・・ちゅうくらいしときゃあよかったかなあ」

その反応をまた想像して俺はまたたのしくなってしかたない。道徳より倫理より快楽が勝ればべつに他はなんでもいいんだ。たのしければなんでもいいのだ。第一ラウンドは終わり。これからは第二ラウンドだよ、シズちゃん。
作品名:ひとりあそび 作家名:萩子