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もんデリング
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novelistID. 1169
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池袋おいかけっこ

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「視覚聴覚嗅覚全開で犬みたいに俺を捜し出してさぁ、全身の毛穴と言う毛穴から体液噴き出そうな位大興奮で尻尾振ってお、い、か、け、て、く、る、……ねぇシズちゃん、そんなに俺がすき?」
 沸点上昇足掻く人の上に立ち、手が触れた物を武器とする彼の眉毛はピクリと揺れた。数メートルの距離を置いて佇む男の顔に浮かぶ笑みこそは、何よりも静雄を動かす原動力のそれである。
「……さっさと消えろ」
「出来れば答えを教えて貰いたいね」
「俺の機嫌がいい内に消えろってんだッ!」
「シズちゃんご機嫌じゃないか」
 一方通行を示す標識が華麗なカーブを描きコンクリを叩く音が路地に響いた。砕かれた無機物が宙に舞い上がるほどの衝撃に人の目が二人を捕らえたが、次の瞬間にもう姿はない。
 ひらりと軽く身をかわして走り出す臨也の背を眼に焼き付けるように、唸る静雄はその名を叫び新たな武器を引っこ抜いた。
 追いかけて追いかけて追いかけて池袋の果てまでも。出会ったからには別れるまでるまでに、息の根を止めたいとそれは互いの欲望たる快楽の象徴かもしれなくて。

 ──怪力馬鹿? 変な男、面白そうだね、聞いた事ないや。
 臨也の興味は生きるべく人の存在価値を見出す事であり、第一印象は全てのイメージを決めつける重要なポイントである。
 静雄は校内で名が通った不思議な男だった。
 "キレるとやばい"そのヤバさに惹かれて会ってみたら、仏頂面のスクールメイトはなんとも意外に大歓迎してくれた。
 臨也を殺したいと、それ程までに情熱的な目で見る人間は初めてだった。殺意に満ちたオーラを纏い全身全霊て突っ込んで来る馬鹿に、臨也はその時人生で初めての感動をしたものだった。
 愛? なんて馬鹿げた感情じゃ括れない、殺したい程"他人"に夢中になれるなんてなんて素敵だろう、人生何事も興味が沸かないって顔をしていながらに、臨也の形を見るだけで五感が震える変化を遂げるその、異常なまでの可愛さや。
 身体を犠牲に力を手に入れ、縋り強靱に変貌を遂げ殺しにかかる。その静雄に流れる時が臨也の生きる時間の理由、一部となるには早かった。
 ──そんなに俺を殺したい? 殺したい? 殺したい?
 問いかけてYESと答えられる快楽は、臨也を捕らえ離さない感覚の一つ。
作品名:池袋おいかけっこ 作家名:もんデリング