滋養誕生秘話(笑)
「用意はできましたが・・・よろしいのでしょうか」
「Don't worry.気にすんな。心配するこたねーよ」
近くにいた使用人に、先日言っていた『conte』の準備をさせた。それを見た政宗は満足そうに頷いた。その時だった。
「政宗様」
政宗の背後から低い声が聞こえた。振り返ると、そこには小十郎が立っていた。平常と変わらない様子ではあるが、威圧されているように感じる。
「これは一体どういうことでしょうか。厨から野菜が消えたと聞きましたが、まさか先日仰っていた『こんと』とやらに使用なさるおつもりですか?」
「Yes.そのとおりだ。小十郎、今からこれを使ってsword fightだ」
「そおどふぁ・・・?なんのことでございますか」
「ちゃんばらだよ。これで手合わせしてもらう」
言いながら近くにあったニンジンを、茎の部分を持って振り回し始めた。
「どうだ、面白そうだろ?」
まだ洗ってもいないニンジンには泥が付いており、辺りに泥が飛び散る。小十郎の服や顔にもそれは飛んできた。小十郎がそれを手で払う。と、その時だった。
ブチッ!
「あ」
茎がもげ、綺麗なオレンジ色のニンジンが飛んでいく。その行き先は・・・