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彗クロ 2

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「キムラスカからの強い要望があったとはいえ、我々はすでに彼の意思を無視して強制的に話し合いのテーブルに連行した前科がついてしまいましたから、相手方の感情を考慮しても表舞台に立つことは望ましくありません。現場のことは現場に任せて、我々は外堀を埋めましょう。まずはエンゲーブ、そしてセントビナーです。彼は派手なたちのようですし、隣にいたメティスラヴィリというのは昨今聞かない名です。案外、身元は容易に割れるかもしれません」
「だな」
「ああそれと、甚だ不本意ながら本国で事実関係の照会をしなければ。とりあえず陛下直々に地下の社会不適合者を叩き起こしておいてもらいましょうか。我々が帰還する頃にはいい塩梅に疲弊して尋問もしやすくなっていることでしょう」
「尋問できるだけの余力が残ってればいいけどな……。ま、わかった、手配してくる。少尉殿にはよろしく伝えといてくれ」
 気負いなく踵は返され、青年剣士の気配はあっけなく遠ざかっていく。軽妙ささえ感じさせる足取りは、深刻になりがちな場の空気を和ませようというガイなりの気遣いだろう。……まだ、余裕があるということだ。
(果たして我々にはどれほどの時間が残されているのか、既に手遅れなのか)
 去り際に返却された便箋を手に、ジェイドはひとり沈思する。
 ひとりのレプリカを巡る一連の現象の意味するところを、鬼才ジェイド・バルフォアさえ、今一歩読み解けずにいる。積み上がっていく心証は密やかな願望を裏切るものばかりで、良からざる予感ばかりが募って仕方ない。
 ルーク・フォン・ファブレ、そして、レグル・フレッツェン。オリジナルとレプリカ。出会いは果たされてしまった。たとえレグル・フレッツェンが何者であろうとも、この遭遇がもたらすものがよしんば絶望ではなくとも、間違いなく、希望などではありえない。
 奇跡は、二度と起こらぬがゆえに奇跡という。

作品名:彗クロ 2 作家名:朝脱走犯