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譲り受けた過去形、羨んだ他人事

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「懐かしいですね」
「青葉くんにかわい気のある時期なんてあったっけ?」
「先輩の毒舌は何時でも切り味良くばっさり行きますねえ」
決定事項ですよね、分かってますとも。
桜の花弁が法則性なく舞い散る路を二人で歩んでいたら、新入生らしき人達の姿がちらほら視界に入った。
その中に先輩と呼び掛けること、そう呼ばれて苦笑す人という組み合わせを見つける。

先輩(仮)が後輩(仮)の頭を撫でた。
停滞期を打開せんと瞳を輝かせながら、自分の先輩に顔を向ける。
「いや、ないからね?」
期待した身には堪える一撃。



「数年後はどうしているんでしょうかね」
「さあ、相も変わらずなんじゃないのかな」

時に言葉には、魂が宿るとのこと。