媚薬配合シャンプー
「ぼくも、まだです!風呂場担当から消灯を任されているので、先生早く入りましょう!」
土井に断る理由を与えず、掴んだ両肩の熱さを握りつぶすように力を込める。
一瞬、土井の頬がピクリと動いたがすぐにいつもの教師の顔になる。
「あのなあ、まだ片付けの途中だと言ったろう?この辺の火薬壺も二階に運ばにゃならんし…」
土井が言い終わるよりも前にタカ丸は近くにあった火薬壺の方へ大股で進んだ。
「お手伝いします。先生お一人よりも早く終わるでしょう」
腰に掛けていた手ぬぐいで鼻と口を覆い、壺に手を掛ける。
「……すまないな。気をつけろよ」
背後から聞こえる土井の声の妙な間が気にかかりながらも、タカ丸はもうすぐ風呂場で土井の髪を見る、触れる、そう考えただけ押し寄せてくる初めての高揚感に興奮していた。
そうして土井が一人でするよりも早く焔硝倉の片づけは終了したのだった