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みとなんこ@紺
みとなんこ@紺
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あなたへ

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人は人自体がパズルみたいなものだ。
少し、見る角度を変えれば違う面を見せてくる。

見るたびに色をかえ、表情をかえ、くるくる、変わる。
まるで万華鏡やパズルのように。


「武藤遊戯」はそんな存在だった。


恐らく今現在の彼を知る、誰にとっても。





あれは昨日の、事だった。




最初聞かれた時は何の事か、さっぱりだった。
それだけ、唐突だったのだ。











放課後

夕陽の射し込む教室で、少しばかり思い詰めたような表情で、彼――もう一人の遊戯は静かに言った。

「城之内くん、キミの気持ちを正直に答えてくれないか」

・・・へ?
ぱっきり、固まった思考に、響きの良い声が先を続けてくる。

「はっきり、言ってくれて構わないから」

・・・・・・はい?

・・・いきなり、なんでしょうか、遊戯さん。
人のいない放課後の教室で。しかもそんな真剣に。改まって。

・・・・・。

ウワー、ちょっと待て待て待て!なんだこの空気!
言いたい事は大量に巡ったが、気圧されてしまったように一つも口からは出せなかった。
ただ、真っ直ぐに射竦めるように見つめてくる、紅の瞳から目が逸らせない。

こ、これではまるで・・・

「オレは・・・」



作品名:あなたへ 作家名:みとなんこ@紺