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2003年度龍騎短文まとめ

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彼がそれを実行してくれたらいいのにと。
欲望を愛する、なんて言ってみたって、この醜さは愛せない。

■2003/01/25 (土) いつかもし僕が・1 (北岡+吾郎)(幸せ編)
「ねえゴロちゃん」
心の準備をするように指が組まれる。
「何ですか?」
「ゴロちゃんは俺の言うこと何でも聞くんだよね」
「はい」
椅子に深く腰かけ、背もたれに体を預け、長い足を大きく組んで、窺うように俺の表情を上目で確認しながら、分かりきったことを問う。
「じゃあさ」
次が本題だ。先生は一つ息を吸う。
「じゃあ、俺が『もう側にいないで。俺から離れて』って言ったら言うこと聞く?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
さすが表情は眉一つ動かさないまま、ただ指先に力が込められ白く色を変える。
「そんな台詞聞こえません」
「え?・・・・」
ぽかんと眉を上げ、口を開き、瞬きをする。
「俺、そしたら耳ふさぎます」
「・・・・紙に書いて突きつけたら?」
「目も閉じます」
俺の答えに少しだけ上がる口端。
「ぐいぐいってドアから押し出したら?」
笑いを含んだ声。
「窓から入ってきます」
「ははっ」
押さえきれない笑い声。
「じゃあダメだね、俺、捕まっちゃうね」
「はい」
本当に捕まえてね、と、ねだる眼。

■2003/01/20 (月) 芝浦
俺の全部あんたにあげるからさ、あんたの全部も俺に頂戴。
そしたら俺もあんたも 何一つ失くさずにお互いが手に入るんだよ。・・・分かる?

■2003/01/14 (火) 東條
全てはある一点に収束する。
僕が夢を叶えるときに全ては意味を持つ。
今は種を蒔く時期。
いつか大輪の花を咲かせるために、今は努力するとき。
 
いつか全てを手に入れるために
今は全てを捨てるとき。

■2003/01/11 (土) 芝浦
寂しいなんて嘘だ。
でも寂しくないというほど嘘じゃない。