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BOMBER☆松永
BOMBER☆松永
novelistID. 13311
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TRPG de BASARA

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≪おさらい≫
 
 魔王・ノブナガを倒すために、旅立った4人の若者たち。
 
 まずは、オウシュウ国の若き王・マサムネ。自由奔放天衣無縫。正義に燃えるのはいいけれど、国政放り出して旅に出ちゃうのは、王様として如何なものか。
 そして、マサムネの従者・コジュウロウ。主第一の忠義者。普段は大人しいくせに、キレると手が付けられなくなる困った男。
 続いて、カイ国王の命を受けた若武者・ユキムラ。猪突猛進純情熱血戦馬鹿。あまりにまっすぐな性格ゆえに、心理トラップには引っかかりがち。
 最後は、ユキムラの従者・サスケ。パーティ随一の常識人にて苦労人。どうしてニンジャが交渉事に駆り出されがちなんだろう……。
 
 そんな彼らは、本来ならば対立関係にありますが、紆余曲折の末「打倒魔王」の大義を掲げ、呉越同舟と相成りました。
 
 
 さて。ノブナガの右腕を自称するミツヒデとの邂逅により、彼らは敵の本拠地・安土万魔殿(アヅチパンデモニウム)が天空城であるとの情報を手に入れました。
 普通に考えたら、空に浮かぶ城なんて手の出せる代物じゃありません。さすがに全員これには頭を抱えました。
 そのときサスケが、カイ国王・シンゲンの好敵手であるエチゴ国王・ケンシンならば、何か方法を知っているかもしれないと思いつきました。徳の高い僧侶でもあるケンシンには、人知を超えた能力を持っている噂がかねてからあったからです。
 ならばとエチゴ国を訪れてみたものの、そこでもやっぱり一騒動。どうにかこうにかケンシンとの対面を果たしたまではよかったのですが……。
 
 
 それにしても。軒並み前衛ができる攻撃力の高さはいいけれど、回復手が慢性不足気味なのがちょっと心配。
 敵も洒落にならない強さになってきた今、ちょっとは戦い方を考えた方がいいんじゃないのかな……と案じるGMの親心など知る筈もなく、後顧を憂えず突っ込むものだから、戦闘終了後にはいつもズタボロ傷だらけ。
 ……まあ、それが彼らの持ち味なら仕方ないですよねー。(ちょっと投げやり)
 もちろん、こちらから手を抜くつもりはありませんよ?
  
 
==========
 
 
GM「ではセッションを始めます。じゃあ、まずは恒例の成長報告から」
マサムネ「俺は前回の経験で<剣術>が1ランクUPだ! 六爪の使用可能時間が格段に長くなったぜ!」
コジュウロウ「さすがはマサムネ様でございます。俺は<戦闘補助>を成長させました。“かばう”の使用回数が大幅に増えましたよ」
マサムネ「これで安心して無茶ができるな(笑)」
コジュウロウ「……それはお控えください。回数が増えたとは言っても、無限な訳では御座いませんので」
サスケ「相変わらず旦那も苦労が絶えないねぇ(笑)。で、俺様は成長なし。<博識>を上げようか迷ったんだけど、今回は見送ったよ。やっぱり<忍術>を上げたいしね」
マサムネ「どっちもいらねぇ。むしろ<救護>をUPさせろ。いい加減Itemだけでの回復はキツくなってきた(苦笑)」
サスケ「あんたが新しくとりゃいいじゃない」
マサムネ「Ha! 俺はMain Attackerなんだから、そんな余裕ねぇよ。それに、もともと持ってるお前が成長させる方が、効率いいだろ」
ユキムラ「某もサスケと同じく成長なし。今回のセッションが成功すれば、次回で<槍術>を上げる予定だ」
コジュウロウ「(軽く鼻で笑いつつ)ああ、早く大型扇風機状態から脱出して欲しいものだぜ」
ユキムラ「(少しむっとしながら)二槍は技能にマイナス修正が掛かるんだ。仕方ないだろうが」
コジュウロウ「は。そういう台詞は期待値を振ってから言ってくれ」
GM「はいはい、それじゃ本題に入るよ~。(まったく相変わらず味方にも容赦ないパーティだよなー、ほんと)さて、現在皆さんはキョウトにいます」
サスケ「マエダの旦那がいるとこだよね」
GM「はい、そうです。ケンシンの盟友である、天下の遊び人・マエダ=ケイジに会うためやってきたんですね」
ユキムラ「ウエスギ殿は、自身には空を目指す策はないけれど、心当たりの人間を知っている。マエダ殿ならば、その御仁との架け橋になってくれるだろう、とおっしゃられていたな」
GM「そういうことです。もちろん紹介状を書いてくれてます」
コジュウロウ「とはいえ、マエダの一族には魔王配下の者もいる。俺は完全に信用する気にはならねぇ」
マサムネ「相変わらず慎重だよな、コジュウロウは。何事も当たって砕けろ、Go for breakeだぜ?」
コジュウロウ「砕けては意味がないのですよ、マサムネ様(溜息)」
サスケ「でも、現状としては手詰まりなんだしさ。藁をも縋る状況でしょ? 俺たち」
GM「藁扱いですか(笑)。ちなみにケイジは花街に滞在してますよ」
ユキムラ「(目を白黒させつつ)な……っ?!」
マサムネ「(にやにや笑いながら)花街ねぇ。じゃ、今回はコジュウロウ大活躍の巻かぁ?」
コジュウロウ「何をおっしゃいますか」
マサムネ「だって<枕事>持ってんの、お前だけじゃん」
ユキムラ「は、破廉恥な……っ」
コジュウロウ「ご遠慮申し上げる。コジュウロウめの<枕事>は、マサムネ様専用に御座いますれば(きっぱり)」
サスケ「うわ……言い切ったよ、この人」
GM「(思わず絶句)」
ユキムラ「~~~~!(何か言いたいけれど言葉にならないらしい)」
マサムネ「Okay,Okay! その辺は後でゆっくり話し合おうぜ……っと、GM、それで街の様子はどんな感じなんだ?」
GM「……(我に返って)あ、はい。そうですね、賑わった感じです。とはいえ、さすがにノブナガの影響が皆無な訳ではありません。どちらかといえば、狂騒に近いかな?」
マサムネ「つまり、どうせ滅びてしまうんなら、今を面白く生きようぜ的な?」
GM「そういう感も無きにしも、といったところでしょうね」
ユキムラ「む……そのような刹那的な考えは、好ましいとは思えぬな」
サスケ「仕方ないよ旦那。市井の奴らにゃ対抗策なんてないんだからさ。だから俺らが頑張らなくちゃ、って話でしょ?」
マサムネ「Ha! そういうことだ。で、ケイジとかいう兄ちゃんのいる場所はわかってんだっけ?」
コジュウロウ「それなのですが……残念ながら、店の特定には至っていないのです。どうも彼奴め、根っからの風来坊らしく、一つところに長くいた試しがないのだとか」
マサムネ「Shit! 結局聞き込みしかねぇのか。仕方ねぇなぁ……手分けして当たるぜ!」

 
 
このメンバー、こういうシティ・アドベンチャーは余り得意じゃないんですよね。一応全員知能は高いのになぁ。
それでも背に腹は代えられず、待ち合わせ時刻と場所を決めて、別れて聞き込みに行きました。
案の定、それぞれ厄介ごとに首を突っ込む羽目になったのですが……最終的には意外にもユキムラが大活躍。どうにかケイジの滞在する店を発見することに成功し、対面を果たします。
ちなみにコジュウロウは、やっぱり<枕事>を使いませんでした(笑)。一応、そっち方面のシナリオも準備はしてたんですけどね。本気でこの人、マサムネ相手にしか使わないつもりなんだろうか……。

 
作品名:TRPG de BASARA 作家名:BOMBER☆松永