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【DRRR】触れないで欲しいです!【静帝】

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「静雄さん、何言ってるんですか」

 その冷静な声は、1度でもパニクって暴れる静雄を見たことのある人間が出せるものじゃない。

「僕は静雄さんの手、かっこよくて好きです、って言ったじゃないですか。撫でられると子供扱いされてる気がしますけど、優しくて気持ちいいから好きですよ」

 灼熱地獄から、涼しい天国へと移って、それから極寒の冷気で凍り付いていたトムに春がきた。
 店内全体に花が咲いたような安堵が広がっていく。
 その気配に、静雄も顔を上げた。目の前にいる少年は笑顔でもう1口水を飲んでいた。

「ただ、今日は本当に暑いですから、頭も汗かいていてすごく濡れてたんです。だから、あのまま撫でていたら汗が流れてきて目に入りそうだったし、静雄さんの手も汗まみれにしちゃうし」

 たぶんあの時の殺気からして、理由のほとんどは前者なんだろう。が、静雄はとにかく自分の失態ではなかった、嫌われてなかったとわかるや口元に笑みが浮かべた。

「そうか、今日は暑いからな」
「はい。本当に暑いですからね」

 シャツが背中にくっついている感触が気持ち悪く、それがだんだん冷えてくるのが余計に嫌で、帝人は繰り返し、背中に手を回し、シャツを引っ張る。
 そして目の前の男の、自分よりも厚着な姿を見て苦笑した。

「静雄さん、ベスト暑くないですか?」
「ベストないと学生服みたいで変だろ」
「夏ぐらいは服装を変えるとか」
「それも考えた。けど、あんまり気乗りしなくてな」
「あ、じゃあこれから静雄さんの服を買いに行きますか?あんまり暑いので、涼みにどこか行こうと思ってたんです」
「いや、…まだ、仕事が」

 トムは小さく溜め息をついた。

「これ以上、暑いとこに居たら池袋が地獄になる。今日は切り上げだ。社長に急ぎがないかだけ確認してくる」

 携帯を取り出しながら、トムは考えていた。
 そう、これ以上あの暑い場所にいたら。
 目の前にいる2人の手によって、池袋に血の雨が降る。
 そう確信めいたものを。