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2004年度龍騎短文まとめ

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■2004/12/09 (木) 芝浦
とても寒い。
気分は沈んでいる。
俺は死にたい。
「みゆきちゃん」
きっと今なら拒絶されてもうまく笑えるから
そうしてもいいんだよ。

■2004/11/19 (金) 芝手
「あのさあ、あんたの言う好きは同情にとてもよく似てると俺は思うんだけど。あんたの示す好きは哀れみにとてもよく似ていると俺は思うんだけどね、どうよ」
「・・・・・・」
「俺、同情って嫌いなの」
「・・・・・・」
「そんなもんでも欲しい自分が惨めになるからね。」

■2004/11/04 (木) 芝手
「蓮ー」
「何だ」
「買い物リストのここんとこさー、ちょっと見てほしいんだけど」
「うん?」
「・・・あいつら仲いいねーみゆきちゃん」
「そうだな」
「どこにその秘密があるんだろうねー」
「そうだなあ」
「俺の推理によると呼び方だね。名前を呼ぶという行為に親密さがあらわれているね」
「そうかもな」
「というわけで。さあ、みゆきちゃん。俺のことも親密に淳って呼んでいいんだよ?」
「ああそうだ、芝浦」
「うん?」
「名前にちゃん付けなんてくすぐったいものではなく」
「え、なになに?呼び捨てがいいとか?」
「手塚さんと呼んでくれないか」
「ねえみゆきちゃんほんとは俺のこと嫌い?」

■2004/09/25 (土) サノサト&芝
「ねえ、みつるくん」
「うん、何?」
「おいお前らちょっと待て、何だよみつるくんて」
「さ・・・みつるくんがこの前「俺たち名前が似てるからみつるさとるでコンビで売り出そうよ、少しは生活楽になるよ」って言ったかも。だから慣れるために普段からそう呼ぶようにしてるかも」
「佐野、ちょっと来い」
「え?」
「いたいけな人間だましてんじゃねーよ」
「東條はいたいけじゃねーよ」
「いたいけじゃなくても痛いマネさせんなっつってんの!」
 
■2004/09/24 (金) 芝浦
これは懺悔だ。
俺のくだらない意地で見栄で遊戯で君を死なせた。
だから許してくれなくていい。
もう届かないところでも君さえ幸せでいればいい。
君が笑えていれば、俺はその隣にいられなくてもいい。
でも君の幸せには俺がつきものだし君を失わない限り俺も不幸ではない
体ではなくもっと深いところでとても繋がりにくいところで俺たちは結ばれあってしまって、もうお互いを構成するにはお互いが不可欠だとかそんな感じになってしまって、それはある意味幸せだったんだけどこんな状況では辛いだけででもその辛さが自虐的な歓喜をもたらす

どうか地獄に落としてくれ
これは懺悔だ。

■2004/08/25 (水) 芝浦
「みゆきちゃん、俺寒いな。」
彼は少し驚いたように俺を見て、それから上着を脱いで俺にくれた。
「みゆきちゃん、俺寒いなあ」
彼はまた自分の服を脱いで俺にくれた。
「みゆきちゃん、俺まだ寒い」
彼はどんどん服を脱ぎ続けて、全てを俺にくれ続けて、何度目だかに俺が「寒い」と言ったときにはもう何も身につけてはいなかった(いつものあの占いの道具でさえも!)
「みゆきちゃん、寒いよ。」
彼はとても困ったように悲しいようにすまないと言った。
すまない、俺にはもうお前にやれるものが一つもない。
俺は奇妙にぼんやりとした気持ちのまま口をひらいて、
「ねえ、なんであんたはここまできても、自分で俺を暖めてくれようとはしないの?」
と、
いおうと、して、
・・・・・・目を覚ました。
とろりとした意識のまま、今まで見ていた夢を反芻して、俺以外の誰もいるはずのない部屋をそれでも誰か探すように見回した。
結局そういうことだったのかな。
ふとそう思ったが、それでどうなるわけでもない。

■2004/08/12 (木) 芝
何も知らない誰もいらないところ。
俺が昔いたところ。
全ての見える君のいないところ。
俺の今いるところ。
どっちが幸せか、とか、それはなんでか、とか、
考えると自分が泣いてしまう気がするので考えられない。
君を探す盲目に漬かっているのは悪くないかもしれないけど、いないと知っていて探す気にもならない。
声が、
君の声が聞こえたら迷いなく応えるのに。
君が俺を探すなら何をしてでも会いにいくのに。
君が手を伸ばすならどんなに遠いところにいても掴んであげるよ
君を愛する幻想に浸って眠るしかできないね君でなければもう誰にも何ででも起こされたくない。

■2004/08/11 (水) 芝浦
ねえもしかして神様って神崎みたいなやつじゃないの。
何かをかなえるために俺たちを作って何度でも殺してやりなおして、
自分のたった一つ望んだ結末のために何度でも俺たちを生んでは殺すんだ。
ああ、でも、それはいいよね。
誰かのエゴのためになら死にたいな。
誰かを幸せにするために死ぬのだけは嫌だ。
あんたも、何一つ思うようにならない不自由に神様が泣くんならそのために死んでもいいんでしょ?

■2004/08/07 (土) 芝手
愛してた なんて嘘です
今でも愛してます
あんたしか愛せないんじゃないかってぐらい
もうあんただけです
終わらせたはずなのに
この手で終わらせたはずなのに
死ぬほど苦しいです 
あんたもこんなに苦しいといい
俺のことしか考えられなくなってそれでも考えると息とか胸が苦しくてでも好きすぎて忘れたいとも思えなくて痛いまま、ずっと、痛くてそれが幸せだとかそんな感じで、痛い分だけあんたを近く感じれるとかそんな間違った感じで、でもなんだか幸せで、

頭がなんだかフラフラしていて平衡感覚があまりない。

■2004/07/21 (水) 芝浦
それじゃあバイバイ。
あんたに、
俺はあんたと別れる日がくるとは思ってなかったけど、あんたは思ってたのかもしんないけど、俺はあんたが好きで、あんたも俺を好きでいてくれたのかもしんないけど、
でも何も言わないで。きっと俺は泣くから。
そんであんたはそういう俺を心配するから、そういうの俺は見したくないし、見たくもないし、
生きたかったよ。できれば、あんたと。
ずっと二人して無理だって言ってたけど、そうでもしないとあんたもそういう夢を見ちゃったからでしょ?
違くてもそう言って、多分違くないけど。
それじゃあバイバイ。
いつかまた、ほんとうに、いつか、また。
また会おうよ、俺は会いたいよ、別れる前からあんたに会いたいよ、まだここを動いてもいないのに。
 
そういえば前、待ち合わせ場所で会った5分後に今度いつ会えるって聞いたら笑ったね。
それじゃあバイバイ。
 
俺は動けそうもないからあんたが出て行って。
わがままはこれで最後にするよ。

■2004/07/10 (土) 芝須
「須藤さん」
一人の部屋でぼんやり呼んだ。
あんためちゃくちゃ馬鹿だし要領悪いし頭おかしいし変だけど、俺はある意味あんたが一番綺麗かもしれないと思う。
「須藤さん」
ベッドによりかかって足をなげだしてどこも見ないでぼんやり彼のことを考えた。
俺は別にあんたを好きだという気はしないしあんたが死んでも泣きはしないだろう、でもどうしたらいいか分からない気持ちにはなると思う。
「須藤さん」