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飴の蜂屋・神頼み編【鉢雷鉢】

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「でもね、今のがコツなんだよ……三郎と話す、ね」
 退室して、ぐるぐると思いを巡らす。雷蔵は、まったく三郎を疑っていない。それどころか絶大の信頼を置いているようにも感じる。どんなに曖昧な情報を押し付けても庇う一方だろう。この蜂屋で、三郎を訝しんでいるのは、もしかしたら八左ヱ門だけなのかもしれない。
 八左ヱ門は最悪の想像をしてみた。
 なんらかの策略で雷蔵が殺され、同じ顔の三郎が大店の旦那の座に取って代わること。いつもと同じ笑顔で八左ヱ門と談笑しながら、その実、中身は全くの別人。
 別の場合。雷蔵を丸め込み、利益を独り占めすること。むさぼる利益がなくなったところで、ずたずたの雷蔵は用済み。この場合も殺されるかもしれない。
 鳥肌が立ってきた。物語の読み過ぎと笑いたければ笑うがいい。それでも八左ヱ門は心配でたまらないのだ。
 疲れて帰ってくると、すぐに迎えてくれる誰かがいる。
 取り巻く甘い匂い。
 笑い声と、あたたかな家。
 もし、今の生活が蝋燭の火のように、ふっと消えたら。
 八左ヱ門は泣いて泣いて、絶望するだろう。
 しっかりしなければ。
「俺が、守らなきゃ」
 自分を育ててくれたこの家と、大切な友人を。
 途中、厠のついでにできそこないの飴をいくつか持ってきたらしい三郎とすれ違う。けだるそうな目が、爛々とした悪党の赤いものに見えた。