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飴の蜂屋・神頼み編【鉢雷鉢】

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 ぴたりと、兵助が足を止める。
「どうした?」
「八左ヱ門、何も言わずに一緒に出かけないか?」
「は? ……わかったよ。そのかわりこれを旦那に見せてからな。な、喜八郎もそう思うだろ?」
 兵助の懐で、いつもはおしゃべりな猫が、静かに、八左ヱ門を見つめていた。
「……どしたんだ?」
 様子がおかしい猫を指をさせども、兵助はするりと無視して、ため息を吐き、
「本当に今、行くんだな? よしわかった」
 庭を進んで行った。
 八左ヱ門もすぐに追いついて、二人並ぶ。しかし兵助は、それ以降すっかり押し黙ってしまった。
 ただ一つ、兵助は襖の前で、
「できれば開けていいか確認をとって欲しい」
 と小声で頼み事をしたのだが、今回に限って八左ヱ門は問答無用で開け放ち、さんざんな結果を味わうのだった。

 さて、開けた先にあったのが、乱れた蒲団だったり着物だったり、誰かさんに乗っかった誰かさんだったりするのだが、そんなことは置いておいて、今日も清々しいお江戸の空を眺めようじゃないか。
 おやおや、気のせいだろか、どこか遠くで「三郎おおおお」と叫ぶ声が聞こえるが、あえてしようか、聞こえないフリ。
 ひとまずこのお話、めでたしめでたし。
 またお会いしましょか江戸の舞台で。

おしまい