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星を見に行こうよ

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※羊はフランスに帰っていません

新学期に入っても私たち天文科はいつもどおりの授業ばっかり。
哉太は退屈そうだし、その上体調が悪いって嘘をついては保健室に行っては星月先生に見つかっては陽日先生に連れ戻されるの繰り返し。
錫也はごくごく普通。時々ご飯を作ってくれるけど、なんだかいい食材がないなってぼやいてた。
羊はというと錫也のご飯を平らげてはまだ足りないって言って購買に行ってる。秋になるから栗ご飯を食べたいって言ってたっけ。……食欲の秋を満喫しているみたい。

私はというと、夏のインターハイが終わって一息ついたところ。宮地君が部長になって、梓君が副部長。犬飼君が時々宮地君をいじって、白鳥君がそれに乗る。トドメ、とばかりに梓君が突っ込みを入れるから宮地君は大変そう。金久保先輩のように胃薬が必要、ってことにならなければいいけど。私と小熊君は完璧に部外者な立場になる。とは言うものの、金久保先輩のように止める存在がいなくなったので私たち二人がその立場になってしまったわけで。いろいろと大変になっている。
その上秋にはそろそろ学園祭が控えている。生徒会活動をしている私にとってこれからが忙しいはずなんだけど、不知火会長と翼君が何かたくらんでいるみたいで、仕事の話ができないでいる。颯斗君もやれやれ、と少しだけ疲れているみたい。


そんなごくごく普通の日常。


その中で見つけた楽しい出来事。




移動教室から食堂へと向かっている途中だった。
星座科と神話科がとても騒がしい。

「なんだ……この異様なざわめきは」

錫也が眉をひそめて言った。

「本当にどうしたんだろう。……あ、宮地君に青空君」

星座科の宮地君と神話科の颯斗君。この二人は学科は違えど同じ教科が多いのか二人でいるのをよく見かける。

「む……夜久」
「東月君に七海君、土萌君。いったいどうしたんですか」
「どうしたっつー台詞はこっちのだ。星座科と神話科がごちゃごちゃしてるから天文科の俺らにとっちゃ驚きもんよ……って宮地、お前が持ってんのは写真か?」
「あぁ、そうだが……」

写真に興味がある哉太は宮地君が持っている写真に興味を示したようだ。
その間に私たちは颯斗に事の真相を尋ねる。

作品名:星を見に行こうよ 作家名:桜風つばき