【APH】くしゃみしたら即行忘れる。
兄の様子にドイツは胸を撫で下ろす。…流石に、ひた隠しにしている自分の性癖を、この世の誰よりも愛している兄に知られたくはない。…そして、自分の頭の中で日々、この兄が痴態を晒していることを知られてしまったら、自分は死ぬしかない。
(…だが、)
知られてしまったら、巻き込んでしまえばいいのだと悪魔がドイツに囁く。
(…ああ、プライドの高いあなたが屈服し、俺に泣いて許しを請う…考えただけで、ゾクゾクする)
想像に身を震わせたドイツにプロイセンはぞわりと背筋が震えた。
「…ふえっくしょん!!」
悪寒にくしゃみをひとつ。プロイセンは襟元を手繰り寄せる。
(…何か、嫌なもんが背筋を走ったぜ。風邪か?)
忘れっぽさと鈍感さが珍しく我が身を救ったことに、気が付くはずもないプロイセンだった。
オワリ
作品名:【APH】くしゃみしたら即行忘れる。 作家名:冬故