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【イナズマ】水色トワイライト

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急に降り出した天気雨を避けようと立ち寄ったコンビニで、
見知った顔を見つけたのはまったくの偶然だった。

「あれ、松野」
「あー、やあ」

思わず声をかけると、ちら、とこちらを見てのらくらと返事をされる。
雑誌コーナーで漫画を立ち読みしていたのは、最近部活に入った松野だった。
入った、というか、正式に入部ってことで扱って良いものかと、半田は未だに決めかねている。
というのも、つい最近まで半田の所属している雷門サッカー部は部員が7人しかいないような酷い有様で、そんな状況で全国一位のチームと練習試合をさせられる羽目になり、それに負けたら廃部とかどう考えても苛めとしか思えない条件を突きつけられたのだが、色々と奇跡的な状況が重なって、なんとかそれを免れた。
その際、帳尻会わせの助っ人としてキャプテンが必死にかき集めたメンバーの一人が松野だったのだ。
助っ人なのだから、試合が終わったら役目は果たしたわけで、サッカー部にいる理由も必要もあちらにはないはずなのだが、松野はそれからも毎日部活に顔を出す。
ずっと前からサッカー部の仲間だったみたいに。
それは松野だけでなく、他の助っ人たちも同じだったのだが、松野に対してだけは、どうしても、『チームメイト』として接しきれない自分がいる。


半田は松野のことをよく知っていた。
ピンクと水色の帽子は、濃い生徒が多い雷門中の中でもよく目立っていて嫌でも目にはいるから、とか、そんな理由もあったけれど、それ以上に運動部に所属していて、『松野空介』の名前を知らない人間の方が珍しい理由がある。
松野は特定の部活には所属していない。代わりに、あちこちの部活に助っ人として大会や試合に加する。
雷門中には人数の足りない部活や同好会も多いから、何をやらせてもそつなくこなす松野のような人間は重宝で、同時に真面目にやっている人間からしてみたら、面白くないことも確かで、付いたあだ名が『運動部荒らし』
感嘆、憧れ、尊敬、嫉妬、少しの侮蔑。
いろんなものが混ざった心が、そんな風に松野を呼ばせた。
半田も、そんな噂を聞いていたから余り良い印象をもっておらず、松野が助っ人として入ると聞いたときは、少し引っかかった。
けれどそんな事を言っていられる状況じゃなかったし、それも練習試合が終わるまでの間だと思っていたのだ。