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織葉(おりは)
織葉(おりは)
novelistID. 1532
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口の悪いカレ

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機関に報告するための書類を作らなければならないとかで、さっきまでパソコン用眼鏡を掛けてじっとパソコンに向かっていた古泉だったのだが、不意に眼鏡を外すと、パソコンデスクに叩きつけるように置いた。
そうして、手にしていた報告書類作成用のメモを床に投げ出すと、大きく伸びをする。
「あー、疲れたっ!」
という言葉と共に。
「お前、そんな風にするから部屋がどんどん散らかってくんだろうが」
呆れてそう小言を言いながら、いくら言ったところで拾うはずもない古泉に代わり、俺が散らばったメモを拾い集める。
こんなもん、本当は俺に見せちゃまずいんじゃないか?
……大丈夫なんだろうか。
出来るだけ見ないようにするべきか?
俺がそんなことを考えていると分かっているのかいないのか、
「別に、ちょっとくらい散らかったっていいだろ。あんたが片付けてくれるんだし」
ふてぶてしくもそう笑った古泉が、事務椅子の背をわざわざ限界まで反らせて手を伸ばし、俺の丸まった背中をぺろんと撫でた。
「やめんか」
「いいじゃん、これくらい」
と古泉は謝りもせず、
「細くて白くて大好きなんだよね、あんたの背中。もちろん、他のところも好きなんだけど」
ああそうかい。
それで俺の背中は毎度無惨な状態にされ、日の目を見ることが出来ないというわけだな。
「無惨ってのは酷くねぇ? こんなに愛してるのに」
「やかましい」
家で風呂に入るたび、妹の襲撃に怯えねばならん俺の気持ちがお前に分かって堪るか。
「いいね、そういうの。頑張ってキスマークつけたら、側にいなくてもあんたのことを独占出来るんだ?」
どこをどうしたらそういう結論に至れるのか、説明してもらいたいもんだな。
「簡単だろ。恥ずかしくて見せられないくらいキスマークを付けといたら、他の誰にも見られないようにあんたが必死になってくれるってことは、側に俺がいなくてもあんたを独占出来るってことじゃん」
「ばーか」
俺はそう言ってさっきから背中を触っていた古泉の手を払い除けた。
「そんなもんなくても、お前は十分俺を独占してるだろ」
「だな」
にやっと笑った古泉は、
「こうやって、たまの休日に出不精のあんたがわざわざ会いに来てくれるくらいなんだからさ」
と言って椅子から立ち上がった。
「そのお礼に、ってんでもないけどさ、晩飯、何がいい? 何でも好きなもん作ってやるよ?」
作品名:口の悪いカレ 作家名:織葉(おりは)