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【イナズマ】『鬼道有人』

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鬼道有人というのは、思っていたよりも、ずっと可愛らしい人間らしい。
いや、男相手にかわいいというのも、変な話だし、面と向かって言えば盛大に顔をしかめてくれると思うので、口に出したりはしない。
しかし、最悪だった第一印象から転げ落ちたものを、かわいい、ということくらいは許してもらえないかな、なんて勝手に思っている。
色々あって、帝国からうちに編入してきて、否が応でも顔を合わせる機会が増えて、最初は色々あったけれど最近は一緒にいる時間も増えてきた。
鬼道の中でも色々と思うところや、心境の変化なんてものがあったのだろうけど、思っていたよりもずっと柔らかい雰囲気をしている。
マネージャーの音無が実は生き別れた妹で、紆余曲折の末にこの間和解したらしいから、その辺の事情も絡んでいるんだと思う。

改めて、相対してみて、一番驚いたのは、意外に鬼道が小柄だった事だ。
いや、何度か会ったことはあるし、自分よりも背が低いってことは知ってた。
でも、実際に見てみると、本当に小柄で、平均やや下の円堂よりも背が低くて、それがとても予想外だった。
ピッチに立っている時は、本当に大きく見えるのにな。
気合とか自信は、立ち居振る舞いに出るから、つまり、そういうことなのだと思う。
実際に目の前にした鬼道は、小柄で、小顔で、手足も小さかった。
顔が小さいっていうのは、髪をまとめて、ゴーグルをかけているせいもあると思う。
小さな、整った顔が首の上にある、そんな印象だった。
ゴーグルをかけている理由を、何の気なしに尋ねてみたら、少し笑って、目が弱いから、と返ってきた。
悪い事を聞いたかと思って反射的に謝ると、笑みを苦笑に変えて、謝るようなことじゃないから気にするな、とひらひらと手を振られた。
聞いてみたら、視力には問題ないけれど、強い光や刺激に少し弱いらしい。
かけたりかけなかったりが面倒で、ついかけっぱなしにしてしまうのだと、ごく軽い口調で言っていた。
ゴーグル越し、偶にちらりと覗く瞳は、少しつり上がった、綺麗なアーモンド形で、隠してしまうのはもったいないのに、と、他意なく思った。

「風丸」
「うん?」
「さっきから何の真似だ」

放課後、部活も終わって、誰もいなくなった部室で、俺と鬼道は向かい合っていた。