world of...-side red- #04
「お、やっぱり読みが良いねマシューは!ちゃんと、フェリシアーノとルートヴィッヒの“お父さんたち”に頼んどいたよ!」
「えぇっ!?なんて時に頼み事するんですか!?」
トーリスが素っ頓狂な声をあげる。
確かに彼らの父は、巨大なファミリーを抱えている上に自分たちの協力者だ。
しかし、雑用を頼むのはいささかどうなのか。
「もう、せっかく協力してくれてるんだから、こんな事で怒らせちゃったらどうするのさ!」
マシューもぽこぽこ怒っている。
アルフレッドは頭を掻きながら、二人の背後を指差した。
「いやー、でももう来ちゃったから」
「「えっ」」
振り返れば、そこにはぞろぞろと黒服の男たちが現れていた。
手前に見知った顔を見つけたので、件の人物らが送った者たちなのだと確信する。
「……やっぱり本人たちは居ないか」
「そんなに暇だったらびっくりだよ」
「同感です」
パンパン、と手を叩いて、アルフレッドは自らに注目を集めた。
「やぁみんな!遠い所わざわざ有難う!用件は聞いてるよね?じゃあ、悪いんだけど早速お願いするよ!」
ある者は仕方無いといった感じに肩をすくめ、またある者は笑いながらアルフレッドをどつき、そしてまたある者は任せとけ、と言った。
その集団に混ざり、三人も古城へと戻った。
かくして、初の防衛戦は“一人の死者も出さずに”終了したのだった。
……屋上からトーリス目掛けて、フェリクスが降って来たりもしたのだが、まぁそれは良しとしよう。
――Who also, it can not block the way of us.
(何者も、俺たちの道を阻む事は出来ない。)
to be continued...
作品名:world of...-side red- #04 作家名:三ノ宮 倖