おわりの はじまり
チャットルーム
――甘楽さんが入室されました。
《こんばんわー☆ みんなのアイドル甘楽ちゃんですよー! みなさん愛し合ってますかー?》
[ばんわー]
{こんばんは}
【こんばんは、甘楽さん相変わらずですね】
《キャッ! 太郎さんたら! いつも通り私がカワイイだなんて愛の告白ですか? ヤダそんな! 照れちゃいますよぅ!》
【ちょっ、脈絡無さ過ぎですよ! 甘楽さん!】
《えぇ~! でもでも~☆ 太郎さん私のこと好きですよね! キライじゃないですよね? キライとか言われたら、甘楽ちゃん泣いちゃいますー☆》
【いきなりなんの発作ですか、甘楽さんww】
《やだなぁ! 発作だなんて! ひどいです! 乙女の心はときたま愛を確認したくなるんですよ!》
[…そんなもんですかねぇ]
{かんらさん、だいじょうぶだと、おもいますよ}
内緒モード 【…分かりました、臨也さん。今まで黙ってた事とかいろいろ、本当に気にしてませんから】
内緒モード 《本当? 良かった☆ これからも よろしくね☆》
内緒モード 【☆はやめてください…】
ほら、君との繋がりが深くなった。
数えるほどしか会ったことのない俺を、君が名前を呼んでくれるんだ。
うれしいよ、帝人君。まだまだ実際の君とはそれほど仲が良くないけれど、ネットの世界で水を得た魚のような君ならこれで十分だろう?
そう、焦ることは無い。
これが君への第一歩。…今はまだこれで精一杯だけれど、
現実だってすぐに君に近付く予定だから。
仲良くしようよ
ねえ、竜ヶ峰帝人くん!