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【銀土】かつて戦争にいた銀さんと今戦場にいる土方の話

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「てめーこそ、人の名前は大事に扱えって先生に教わらなかったのか?」
「センセイに、ねえ。 ……先生にか」

がしがしと頭をかいた。そう言われて、急に自分が酔っていることを自覚した。土方の言う通り、確かに、これは結構な深酔いなのかもしれない。ぐらぐらして、死にそうだった。

「……忘れたな……」







帰り際、川辺を歩いていると冷たい風がびゅうと音を鳴らす。まだまだ寒ィなと呟いたら、今夜は鍋を作るんだから日付が変わってからでも帰って来るよう言われていたのを思い出した。すると、なんとも二人の子供たちの名を早く呼ぶべきであるように思えてくる。

銀時は、「遥か遠い過去」にしか存在しなかった名前を誰にも尋ねたくなどなかった。そんな感傷じみたものはめっぽう御免だった。もっともっと、我々がすべきは子供たちのための明日の話であることを知っていたからだ。
師がそうであったように。子供たちが育つ国を、刀を持って、血まみれで護る人間がいるからこそ。
それを奪われないための戦争であったはずなのだ。明日をも知れない、明日生まれてくる名前を知るための、ひどく長い戦争をしていたのだ。