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これ以上惚れたらどうしてくれるのさ!

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とんだ醜態をさらしてしまったものだ。
臨也はもう死にたい、と何度か思ったことをもう一度思って深いため息をついた。
つい先日のことだ。なんだかんだでめでたく、こ、こここ恋び、恋人同士・・・ということになってしまった竜ヶ峰帝人に、うっかりぷぷぷぷろぽーず、とやらをしてしまったのは。
いくら寝不足でワケが分からなくなっていたとはいえ、あれはない。マジでない。ドン引きだ。大人の男としてのプライドと言うものが臨也にだってあるわけで、まあそんなの今更と思えるほど帝人の前では醜態をさらしているけれど、それでもあれはアウトだ。もうなんなの。
恥ずかしくて死ねる。
臨也はぐったりと机につっぷして、あーとかうーとか唸り、何度目か携帯を取り出しては、やっぱり電話もメールもできないまましまいこむ。あの日以来、実は、思いっきり避けてしまっている。
「・・・みかどくんにあいたいー・・・」
ぽつりと呟く思いは本物だけれども、あんなことを言ってしまった手前、どんな顔をして会えばいいのやら。
万が一にでも軽蔑の目で見られたら、それこそ生きていけない。なので会えない。ああもう泣きたい。
そもそも、なんでプロポーズなんかしてしまったのか。臨也だって良識ある大人なのだから、男同士で結婚なんかできないことはちゃんと知っている。外国でならできるけれど、多分帝人も自分も日本を離れることはないだろうことも分かっていて、まあ将来的に、一緒に暮らせちゃったりなんかしたら幸せだなあとか、そんなことは思っていたけれど!
「・・・俺のばかああああ!」
臨也は思いっきり机にがんがん!と頭を打ち付けつつ、わめいた。
そう、将来的にもしプロポーズをしようと決意することがあったとして、それならば臨也的にはもっとシュチュエーションに凝ったりなんかもしたかったのに!
給料三か月分の指輪に、洒落たレストランでのディナーに、最低でもバラの花束あたりは用意して、それで極め付けに夜景の見える場所で、とか。海辺って言うのもいいかもしれないけど、キリッと「俺と結婚してください」って、ほら、大人の男的に!凛々しく!言いたかったのに!
いくらなんでも駄々っ子みたいに甘えた末に「もう結婚してください」はあんまりだよ!素敵で無敵な情報屋さんはどこにいっちゃったのさ!本気であわせる顔がないよ!
思い出しては真っ赤になってうわあああとわめき、また冷静になってはしみじみ思い返して、をループする臨也なのだった。


ところでお忘れではなかろうか。
竜ヶ峰帝人は、逃げると追いかけてくるということを。






「・・・今日で二週間、か」
オンボロアパートの一室で、帝人は携帯電話を睨みつけていた。臨也と一応、その、そういう関係になってから今まで、ここまで長く連絡がなかったことはない。というか。


「何で避けるかな、あの人は!」


帝人は静かに怒っていた。
何しろ池袋で静雄と喧嘩していたという目撃証言が数件は言ってきているし、ダラーズのサイトでこっそり集めた折原臨也目撃情報によれば、のんびりとお茶をしていたりショッピングをしていたり、いたって暇そうな様子だった。だというのに、高校の下校時刻になると慌てて池袋を去っていく姿が度々報告されている。なにこれどういうこと?プロポーズまでした相手を避けるって、何、そういうことなの?
まあ、あそこまで帝人ラブ!な臨也に限って、万が一でも帝人を嫌いになったということはないだろうけれど、じゃあなんで避けられなくてはならないのか。この二週間じっくりと考えてみたが、結論は一つしか出なかった。
恥ずかしい、のだろう。
どれだけ乙女なの。
そもそも、帝人は結構あの言葉を嬉しいと思っていて、その気持もちゃんと伝えたはずなのだ。そりゃ、あの時臨也は羞恥心からそれどころじゃなかったかもしれないが、確かに帝人は嬉しいですと言ったのだ。言ったからには、それを無視した行動を取られると腹が立つ。非常に腹が立つ。っていうか臨也はいい加減、帝人になれるべきだと思う。
未だに、キスだけで許容範囲いっぱいの臨也に、帝人的にはじれったいっていうか、もっとしっかりしろっていうか、もう早く押し倒してよ!でなきゃこっちが襲っちゃうんだから!っていうか!
その他もろもろの感情を、そう、今日こそ思い知らせてやろうではないか!
帝人は決意の表情で立ち上がると、携帯をポケットにつっこんで晴れやかに笑った。



「今日と言う今日は・・・覚悟してもらいますよ、臨也さん?」