【幸せ家族協奏曲】
「ご主人様の為に、ご主人様が望んだ曲を一生懸命覚えて、歌う為だけに生まれたんだよ」
歌い続ける津軽。
それを楽しげに手拍子をしながら見つめるサイケ。
「この二人は人間に決してなれない。クローンよりも粗末な存在なんだよ」
どうして同じ顔をしたサイケを、津軽を指さしてそんな可笑しそうに言えるのだ。
トムは腹の底に沸き立つ感情を誤魔化すためタバコに火を付けた。そして、横目で隣の静雄の様子を伺う。
てっきり激怒するのかと思った静雄は臨也には目もくれず、ジッと津軽を見つめていた。
「静雄?」
その声は津軽の歌声によって掻き消された。
※続きは8月22日のスパコミで発行される【幸せ家族協奏曲】にて。